心理職でもできる資産形成と運用

心理職でもできる資産形成と運用

FP×心理Thによる資産にまつわるアレコレのお話

【心理カウンセラー必見】経済的資産を「稼ぐ」のまとめ

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リヒト(@r2209)です。資産を「稼ぐ」について、数回にわたって検討してきました。今日はそのまとめをしていきたいと思います。

 

リヒトさんの考えは、「企業・組織に勤めながら副業して、副業が軌道に乗ってきたら開業する。もっと頑張れる人は不動産業もはじめる」がもっとも理想的な「稼ぐ」働き方だ、ということですよね

 

そうなんだ。それについて考えるために、まずは社保について勉強したよね。まずはそこから復習していこう。

 

 

企業・組織に勤めていれば、社保に入れる

まずは企業・組織に勤めていくことをオススメするのは、社会保険が充実しているからでした。

特に週30時間以上どこか特定の場所に勤務していると社保に入る事ができます。ここでいう社保とは、健康保険と厚生年金です。

 

この条件であれば、必然的に労働保険にも加入する事ができます。労働保険とは、労災保険雇用保険の事です。

 

労災保険はどこかに勤めれば誰でも加入しますが、雇用保険は、労働時間が週20時間未満になってしまうと加入できなくなるのでしたね。

 

 

 

非常勤掛け持ちを副業に含めないわけ

このブログでは、非常勤掛け持ちを副業とは定義しませんでした。

なぜなら、非常勤掛け持ちの働き方は資産面で多くのリスクがあり、本ブログの趣旨(資産形成と運用)とはあわないと考えるからです。

同じ副業をするにも、資産形成と運用に寄与するものに限りたいと思っています。

 

このブログで「副業」として挙げているものの一つは「開業」です。

 

開業であれば、そこで得る収入は「事業所得」として計算されます。

これは、単純に複数個所で非常勤掛け持ちをしているだけでは得られない恩恵です。非常勤掛け持ちでは、その収入の全ては基本的に「給与所得」となるからです。

 

事業所得には給与所得にはない特典があり、これを利用することで資産形成の面で有利に働くのです。

 

ここまでの話しは、以下の表が分かりやすいかと思います。

  勤務心理カウンセラー
(週30h以上)
勤務心理カウンセラー
(週20h以上30h未満) 
勤務心理カウンセラー
(週20h未満)
開業心理カウンセラー
国民健康保険 ×
健康保険 × × ×
厚生年金 × × ×
基礎年金
雇用保険 × ×
労災保険 ×

 

 

社保にはいっていれば、勤め先がその保険料の半分を払ってくれます。これを労使折半と言います。なお、雇用保険もいくらか勤め先が払ってくれますし、労災保険は全額払ってくれます。

 

 

 

いきなり開業を勧めないわけ

事業所得には給与所得にはない特典があります。とはいえ、事業所得だけをもとめていきなり開業1本に絞ることはかなりのリスクがあります。

 

それは、上記でも説明したように、個人開業の心理カウンセラーは個人事業主となり、 社保に入れないからです。労働保険にも同様に入れません

 

そもそも、クライエントが来談してくれるかも全く分かりません。

もしクライエントがいらっしゃらなければ、収入を得ることすらできません。

 

ですから、まずはどこか勤務先に所属し、そこで社保に入って、その上で開業1本でやっていけるだけの準備をする方が安全なのです。 

 

開業1本になれば、当然社保には入れなくなります。それはリスクと言えばリスクです。しかし、社保の保険料はどう頑張ってもコントロールできませんが、個人事業主が入る国民健康保険の保険料はある程度コントロールして節税(保険料なので正確には税ではないですが)することが可能です。

 

ですから、開業1本でやっていけるだけの力がついたら、給与所得だけを得る生活よりも資産をより形成しやすくなります。

 

ただ、いくら事業所得といっても、それは結局労働所得ですので、より一層の資産形成を考えようと思ったら不労所得も視野に入れていく必要があります。不動産所得を考えて行くことがその典型例でしょう。

年収が300万円でも資産投資は始められる!?安定した家賃収入を得られるようになったのはココザス無料相談がキッカケでした

 

以上が、資産を「稼ぐ」のまとめでした!

 

 

 

 

次のテーマは、資産を「育てる」。ですが少し寄り道を…

さて、今度からはいよいよ資産運用についても考えて行く必要があります。

それが次のテーマ、資産を「育てる」になります!

 

ただ、その話をする前に、年金の話をしていきます。

資産を「育てる」のは、ゆとりある生活をするためですが、育てていく過程にはリスクがあります。

そのリスクを最小限に抑えるためには、「いくら必要なのか」を知っておくことが重要です。

この「いくら必要か」は、年金がいくらあるのかによっても変わってきます。年金で補えない分が自ずと「必要額」になるからです。

 

年金の話はあまり面白い話ではないかも知れませんが、しばしお付き合いくだされば幸いです!

 

 

【心理カウンセラー必見】社保の保険料は4月〜6月のお給料で決まります。

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リヒト(@r2209)です。前回の記事に続いて、非常勤掛け持ちをすることのリスクについて見ていきたいと思います。

 

前回までに見たリスクは、病気や怪我をしたときや働けなくなった時の保証がないことと、自分で医療保険や年金の保険料を全額払わないといけない、ということでしたね。

 

 

 

そうだね。もちろん、そのリスクは個人で開業しているような心理カウンセラーも背負うことがあるんだけど、青色申告できるできないを考えると、非常勤掛け持ちだとそれもできないから更にリスクがある。

 

これに加えて、まだリスクがあるんですか……

 

そうなんだ。今日はそれを見ていきたいんだけど、そのために、まずはどうやって保険料が決められているかを知る必要があるんだ。

 

 

 

社保の保険料は4月から6月までの給料によって決まる

ここでいう「社保」とは、もっとも狭い意味での社保のことを指します。つまり、健康保険料と厚生年金のことです。

この社保の保険料は4〜6月の給料(標準報酬月額)に応じて決まります

 

給料に応じて、というのがみそです。

ま、今は「へえ、そうなんだ」と思っておいてくれれば結構です。

 

 

国民健康保険料はどう決まる?

一方、複数箇所に非常勤掛け持ちをしている心理カウンセラー(特定の勤務先で週30時間未満しか働いていない人)や個人で開業している心理カウンセラー(個人事業主)が入ることが多い国民健康保険と年金はどうなっているのでしょうか。

それはこうなっています↓

 

国民健康保険の保険料は、前年度の課税所得に応じて決まる

 

さて、思い出してください。

社保は4〜6月の給料で決まるのでした。一方、国民健康保険は前年度の所得です。

給料と所得の違い、覚えていますか?

 

 

 

給料−経費=所得 です。

 

このことからお分かりのように、社保は経費を差し引くまえに保険料が決定するので、どうにもこうにも保険料をコントロールすることはできないのです(4月から6月にたくさん仕事を休んで給料を下げれば話は別ですが…)。

 

一方、国民健康保険の場合、経費が差し引かれた後の金額をもとに保険料が算出されるので、工夫次第で保険料をある程度コントロールできるのです。 

 

個人開業の心理カウンセラーなら、例えば交通費、面接室のレンタル代、宣伝広告費などが経費になります。

 

では、非常勤掛け持ちの心理カウンセラーの経費は?

なんと、基本的にはありません

 

非常勤掛け持ちの働き方では、給与所得しか貰えません。給与所得では経費が認められないのです!

非常勤掛け持ちの人は、国民健康保険に加入しているのに、経費を使って保険料をコントロールすることもできないのです。

 

つまり、国民健康保険の加入となっている非常勤掛け持ちの心理カウンセラー(どこか特定の勤め先で週30時間以上働いていないカウンセラー)は、所得に応じた額の保険料をまるまる支払わなければならない、ということです。

 

うわっ!労使折半もないし、経費も使えないしってことですね!

 

そういうことになるね。

 

なお、年金は国民(基礎)年金に加入することとなり、保険料は一定額です。

  

 

ようやく結論を理解するまでの前置きが終わりました。

長々とお付き合い頂きありがとうございます。資産を「稼ぐ」ための前置きは以上です。

非常勤掛け持ちで働き続けるリスクがご理解いただけたかと思います。

 

では、どんな働き方が理想なのか。

僕が最初に挙げた結論はこちらでした。

 

もっとも理想的な「稼ぐ」働き方は「企業・組織に勤めながら副業して、副業が軌道に乗ってきたら開業する。もっと頑張れる人は不動産事業もはじめる」ということになる』

 

 

今までの前置きを踏まえ、少し詳しくこの結論を解説すると以下の通りです。

 

クライエントが集まるかわからない中でいきなり開業をするのは、相当リスクが高いわけです。

企業に勤めながら副業として開業をすれば、リスクは分散できます。企業での給与所得でなんとかやって行けるし、社保に入ることができるからです。

扶養している家族が居れば、その家族の分の保険料も勤め先が何とかしてくれます。

 

しかし、給与所得だけで所得の全体を引き上げるのはとても困難です。

乱暴な例ですが、例えば給与所得で時給を1,000円上げようと思うととても大変ですが(実質無理なのでは?)、事業所得であれば簡単です。

カウンセリング1回の料金を1,000円上げればそれで済むからです(クライエントが納得するかどうかはおいておいて)。

 

加えて、事業所得は経費が認められますし、控除もあります(特に青色申告特別控除)。

副業が軌道に乗ってきて事業所得を得ることに専念することができるくらいになれば、保険料を自分で払えるだけの体力もついているでしょうから、開業一本で自分の采配でどこまでも所得を上げていくことができます。*1

  

ただ、事業所得で止まってしまうとそれは結局労働所得なので、チャレンジ精神がある人は不動産事業にも手を出し、家賃収入を得るという不労所得の実現も視野に入れるとよいでしょう。

興味のある方はこちら↓

不動産投資は誰でも始められるってホント?今やお金持ちだけの資産運用ではない!だからこそ無料相談してみては?

 

 

*1:※もちろん、あんまりにも高いカウンセリング料をとるとクライエントが離れていく要因にもなりかねないので、実質は「どこまでも」は無理かも知れません。それに、一日5〜6人分くらいのセッションが体力的な限界でしょう。

心理臨床家の個人開業

 

心理カウンセラーとして個人開業を考えている方には必読ではないでしょうか。

 

本書は少し古く、公認心理師が成立する前のものですが、充分に読む価値はあります。

著者は精神分析オリエンテーションとしているようですが、そこもあまり考慮に入れる必要がありません。心理臨床を実践するならば、オリエンテーションがどうであれ誰にでも通底するその哲学について記述してくれているからです。

 

このブログでは、個人開業の方の働き方を事業所得の面から考えていますが、そういった知識だけあっても個人開業では通用しないでしょう。

 

例えば、

セラピストは、開業の中に居、止まろうとする限りにおいて、いつもどこかで、クライエントを“固定客”や“常連客”、“お馴染みさん”に、いやもっと言えば、“不動産”に、してしまいたいという誘惑に晒されているのである。

P285 

という記述のあまりの生々しさ。これは経験をしたことが無い人にはわからないリアルだと思います。

 

また、

私は、心理面接そのものについても考え直すことになった。“自分はここで何をしているのだろう?”“何についてお金を頂いているのだろう?”と。そしてその過程の中で、心理面接を生業とする者が、実は本来抱えている孤独に気づいていったのである。

P347 

 という記述は、1人で「お金を稼ぐ」ことの重圧や責任、それに伴う強烈な孤独をしめしています。

 

どんなにきれいごとを言おうが、結局は仕事とお金は不可分です。避けては通れない話題です。

個人開業の場合、それがあまりにもダイレクトです。

そのため、「クライエントの福祉に貢献したい」という純粋な気持ちから仕事をしていても、お金での危機に瀕すると、どうしてもそれを維持することへの誘惑にあがなうことが難しくなる。でもそうすると、最初の志「クライエントの福祉に」との間に心の中でせめぎ合いが生じる。とても難しい課題です。

 

しかもその課題を孤独の中で抱えなかればなりません。

編集後記本書は、開業者に必要なことを余すこと無く語ってくれています。

是非興味のある方は手にとってみられることをお勧めします。

 

【心理カウンセラー必見】労使折半はありがたいの巻

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リヒト(@r2209)です。前回、特定の事業場で週20時間未満しか働いていないと、大きなリスクがあるという話をしました。ココロちゃんはもうそのリスクの理由はわかっているみたいだね。

 

 

 

 

はい。以前お話していた、傷病手当金とか失業等手当(雇用保険)のことですよね!

 

 

 そうだね!今日はそのあたりのリスク以外の非常勤掛け持ち心理カウンセラーのリスクについても考えてみよう。

 

 

非常勤掛け持ちと開業の違い

週に20時間未満しか働いていない非常勤掛け持ちの心理カウンセラーの他に、健康保険や雇用保険、ついでに言うと厚生年金にも入れない働き方があるのですが、お分かりになりますか?

このブログを読んでくれている方なら、お分かりかと思いますが、いかがでしょうか?

 

そうです。個人開業している心理カウンセラーです(個人事業主)。

 

個人事業主の方はどうして健康保険や厚生年金、雇用保険に加入できないのでしょうか?

それは、個人事業主は雇われている人でも労働者でもないからです。

 

ごくおおざっぱに言うと、会社は雇う者と雇われる者に二分されます。

個人事業主は自分で事業を立ち上げた主ですから、当然雇われる者ではありません。

 

実は、健康保険は被用者保険とも呼ばれ、雇われている人向けの保険なのです。

 

年金も同じ考え方です。

 

年金加入者は、第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者に区分されます。

このうち、第2号被保険者はサラリーマンや公務員など、企業で働いている人を指し、第3号被保険者は、その人に扶養されている配偶者を指します。

第1号被保険者は、それ以外の人を指します。要は勤め人ではない人たちです。

 

雇用保険は労働保険の一種ですから、雇われている人(つまり労働者)のための保険であり、主(ぬし)である個人事業主は加入できないのです。ちなみに、労災保険も労働保険の一つですから、当然加入できません(任意のものは除く)。

 

ここまでのことを表を使ってまとめておきます。

  勤務心理カウンセラー
(週30h以上)
勤務心理カウンセラー
(週20h以上30h未満) 
勤務心理カウンセラー
(週20h未満)
開業心理カウンセラー
国民健康保険 ×
健康保険 × × ×
厚生年金 × × ×
基礎年金
雇用保険 × ×
労災保険 ×

 

 

所得の面も不利 

ここまでみると、開業心理カウンセラーも非常勤掛け持ちも同じようなリスクがあるように思うと思います。

 

しかし、両者には決定的な違いがあります。この違いが、僕が「開業は勧めるが、非常勤掛け持ちは勧めない」の違いとなります。

 

その違いとは、所得の種類です。

 

個人開業の心理カウンセラーは個人事業主です。

個人事業主ですから、得る所得は事業所得となります。

 

一方の非常勤掛け持ちは、あくまでも勤め先からお金をもらっているので、そのお金は給与所得です。

 

この事業所得と給与所得という差は思ったよりも大きいのです。

青色申告の話、覚えている方はもしかしたらピンと来たかも知れません。

 

 

フジサン覚えてますか?

この記事を見返すと、もしかしたら思い出してくれるかも知れません。

 

 

 

そうです。事業所得だと青色申告が利用できるのですが、給与所得だとそれが利用できないのです。

つまり、控除も経費も使えない、ということです。

 

それだけじゃない、非常勤掛け持ちのリスク

ところで、健康保険や厚生年金の保険料って誰が払っているかご存知ですか?

 

働いている人自身じゃないんですか?

 

実は、勤め先が半分払ってくれているんだ。これを労使折半というよ。

 

えっと、じゃあ、もしかして週30時間未満の掛け持ちの人って…

 

ココロちゃんは気づいたみたいです。

なんと、週30時間未満の掛け持ちの心理カウンセラーは、自分で全額国民健康保険も年金も払わないといけないのです!

しかも、もし家族がいたら、その家族の保険料も払ってあげる必要がありえます(配偶者も第1号被保険者の場合)。

 

週に30時間以上働いていれば、その人は第2号被保険者となり、その人の配偶者は第3号被保険者となります。なんと、第3号被保険者の保険料は全額第2号被保険者の勤め先が払ってくるのです!

 

ちなみに、雇用保険も割合は半分ではないし、業種によっても違うけど、勤め先が負担してくれるよ。
労災保険に至っては全額勤め先が負担してくれてるんだ。

 

 

え?まだあるの?非常勤掛け持ちのリスク

医療保険(健康保険 and 国民健康保険)の保険料が何を基準に決められているかを知ると、更に掛け持ちのリスクが浮き彫りになります。

 

…ですが!

今日はさすがに色々とリスクを話して整理が大変だと思うので、他のリスクは、また次の記事で!

 

【心理カウンセラー必見】資産を「稼ぐ」ために、知っておく必要のある“社保”のこと

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リヒト(@r2209)です。
これからは「稼ぐ」に関してのお話をしたいと思います。結論を先取りすると、もっとも理想的な「稼ぐ」働き方は「企業・組織に勤めながら副業して、副業が軌道に乗ってきたら開業する。もっと頑張れる人は不動産事業もはじめる」ということになると思います。

 

非常勤掛け持ちも、一種の副業を持っていることになるかと思いますけど、そういう人って生活のために仕方なしに…って感じで、豊かになっている人ばかりではないように思うんですよね。。。
それでも副業をした方がいいんですか?

 

ココロちゃん、前に「非常勤掛け持ちは副業には含めないことにしたい」って話したの覚えてるかな?

 

 

 

あ、そういえばそんなこと言ってましたね!でも、どうしてですか?

 

それは、却って資産を失うリスクが大きいからなんだ。
副業するだけでも大きなリスクなんだから、資産的なリスクはとどめておきたい。
このブログでは資産形成と運用について考えたいから、資産を失うリスクがあるものはあまり推奨したくないんだ。

 

どんなリスクがあるんですか?

 

それを理論的に説明しようとすると、社会保険について語らなきゃ。難しいけど、できるだけ簡単に説明するよ。

 

 

 

 社会保険の広義と狭義

社会保険」という言葉や「社保」という言葉を聞いたことがある人は多いと思います。

しかし、意外とこの言葉をきちんと理解している人は少ないようです。

 

それも無理はありません。というのも、人によって使い方が違うからです!

前提として、「社会保険」(=社保)には広い意味と、狭い意味があります。

 

広い意味だと

公的医療保険(公的介護保険含)+公的年金保険+労働保険(労災保険雇用保険)を意味します。

 

しかし、狭い意味では

公的医療保険(公的介護保険)+公的年金保険だけを意味し、労働保険を含めません。

 

ここまでならまだ良いのですが、人によって健康保険と厚生年金だけを指して「社保」と言っている人もいます。これがもっとも狭い意味です。

 

 

厚生年金は聞いたことありますけど、健康保険ってなんでしたっけ?

 

公的医療保険(国が国民に強制加入させている医療保険)には、健康保険と国民健康保険があって、その前者のことだよ。

 

あ、そうか。確か、同じ職場に週に30時間以上勤めている人が入っているんですよね。

 

  

覚えてくれたんだね!正確にはもうちょっとややこしい定義があるんだけど、だいたいそのように理解してくれていればOKだよ!
※501人以上の従業員が居る事業所だと、週20時間の勤務でも加入できるなど、例外があります。

 

非常勤掛け持ちの怖い話

このように、どこにどれだけの時間働くかによって、僕たちが加入できる保険が変わってきます。

まず、このことをおさえておきましょう!

 

その上で、こちらの図をみてください。

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行政書士社会保険労務士せきぐち事務所

http://www.office-sekiguchi.jp/14258053475983から引用させていただきました。

 

この図で「(狭義)」と書いてあるのは、このブログでいう「もっとも狭い意味」です。

 

この図の左の流れ(被用者保険へ行く流れ)を「どこかに週30時間以上勤務している心理カウンセラー」と思ってください。

 

一方、右の流れ(一般国民保険へ行く流れ)を「週30時間未満しか勤めていない心理カウンセラー」及び「個人開業している心理カウンセラー」と思ってください。

なお、この図だと右の流れの人は介護保険に入らなくてもいいように思えるかも知れませんが、介護保険は一定の条件を満たしたら全員が加入することになります(普通は40歳になったら加入)。

 

あれ?週30時間未満しか働いてないと、労働保険にも入れないんですか?

 

いや、労働保険もちょっとややこしくて、労災保険雇用保険でまた変わってくるんだ。上の図はその辺りは組み込まれてなくてまたわかりにくいけど。。。

 

 

同じ労働保険でも、労災保険には入れて雇用保険には入れないことがある!

週30時間以上どこか特定の場所で雇われながら働けば「もっとも狭い意味」での社保、つまり、健康保険と厚生年金に入ることができることをお伝えしました。

 

今度からは少し頭を切り換えて、労働保険に焦点を移してください。

上の図からはわからないですが、実は労働保険の内、雇用保険は週20時間以上どこか特定の場所で雇われながら働かないと加入できないのです。

 

一方、労災保険はどこかに雇われて働いていさえすれば加入できます。ちなみに、保険料は払う必要がありません。

 

リヒトさんが、非常勤掛け持ちは資産的な意味でリスクが大きいってことを言っていた意味が分かってきました……!
つまり、週30時間未満だと「もっとも狭い意味での社保」に入れないし、週20時間を切るようなら、雇用保険にも入れない、ということですね!

 

そういうこと!ココロちゃんが今言ってくれたことさえ頭に入っていれば当面大丈夫だよ!

 

うーん、そこまで考えて勤務先選択したことなかったです…。

 

恥ずかしい話、僕も心理カウンセラーとして働きだしたときはそうだったんだ。色んなところを掛け持ちしていたから、雇用保険に入っていなかった。

 

もしそんな状態で大怪我したり、失業したりしたら、大変なとこでしたね。怖い!

 

 

非常勤掛け持ちのもっと怖い話 …は次の記事で

そうなんです。当時特に大きな問題は運良く起きませんでしたが、もしそうなっていたら、と想像するとゾッとします。

 

雇用保険に入ってないということは失業保険も使えないということを意味し、同時に、国民健康保険にしか入っていないということでもあるので、傷病手当金も使えないことを意味するからです。

 

こんなこと、大学院じゃ教わらなかった!!!

 

 

もちろん、非常勤で掛け持ちすることは、色んなことを勉強できるチャンスでもあるので、その人次第では「投資」になるかと思います。

 

一方、額面の給料額を求めて、SC(スクールカウンセラー)のみを掛け持ちするといった働き方は後でしっぺ返しを食らうリスクは相当大きいと思いますので、お勧めできません(ほとんどの場合、同じ学校で週に30時間も働かないでしょうから)。

 

例えば下の画像をみてください。これはSCの求人の一例です。

今まで僕がお話ししたことがこちらを見ていただければ、すぐにお分かりいただけるかと思います。

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SCだけあって、月額のお給料はいいのですが、社会保険は「なし」です。雇用保険も「なし」になっています。

 

保険料のことを考えると、非常勤掛け持ちの働き方にはもっと怖いリスクがあるのですが……。この話はまた次の記事で。