心理職でもできる資産形成と運用

心理職でもできる資産形成と運用

FP×心理Thによる資産にまつわるアレコレのお話

【心理カウンセラー必見】資産を「稼ぐ」ために、知っておく必要のある“社保”のこと

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リヒト(@r2209)です。
これからは「稼ぐ」に関してのお話をしたいと思います。結論を先取りすると、もっとも理想的な「稼ぐ」働き方は「企業・組織に勤めながら副業して、副業が軌道に乗ってきたら開業する。もっと頑張れる人は不動産事業もはじめる」ということになると思います。

 

非常勤掛け持ちも、一種の副業を持っていることになるかと思いますけど、そういう人って生活のために仕方なしに…って感じで、豊かになっている人ばかりではないように思うんですよね。。。
それでも副業をした方がいいんですか?

 

ココロちゃん、前に「非常勤掛け持ちは副業には含めないことにしたい」って話したの覚えてるかな?

 

 

 

あ、そういえばそんなこと言ってましたね!でも、どうしてですか?

 

それは、却って資産を失うリスクが大きいからなんだ。
副業するだけでも大きなリスクなんだから、資産的なリスクはとどめておきたい。
このブログでは資産形成と運用について考えたいから、資産を失うリスクがあるものはあまり推奨したくないんだ。

 

どんなリスクがあるんですか?

 

それを理論的に説明しようとすると、社会保険について語らなきゃ。難しいけど、できるだけ簡単に説明するよ。

 

 

 

 社会保険の広義と狭義

社会保険」という言葉や「社保」という言葉を聞いたことがある人は多いと思います。

しかし、意外とこの言葉をきちんと理解している人は少ないようです。

 

それも無理はありません。というのも、人によって使い方が違うからです!

前提として、「社会保険」(=社保)には広い意味と、狭い意味があります。

 

広い意味だと

公的医療保険(公的介護保険含)+公的年金保険+労働保険(労災保険雇用保険)を意味します。

 

しかし、狭い意味では

公的医療保険(公的介護保険)+公的年金保険だけを意味し、労働保険を含めません。

 

ここまでならまだ良いのですが、人によって健康保険と厚生年金だけを指して「社保」と言っている人もいます。これがもっとも狭い意味です。

 

 

厚生年金は聞いたことありますけど、健康保険ってなんでしたっけ?

 

公的医療保険(国が国民に強制加入させている医療保険)には、健康保険と国民健康保険があって、その前者のことだよ。

 

あ、そうか。確か、同じ職場に週に30時間以上勤めている人が入っているんですよね。

 

  

覚えてくれたんだね!正確にはもうちょっとややこしい定義があるんだけど、だいたいそのように理解してくれていればOKだよ!
※501人以上の従業員が居る事業所だと、週20時間の勤務でも加入できるなど、例外があります。

 

非常勤掛け持ちの怖い話

このように、どこにどれだけの時間働くかによって、僕たちが加入できる保険が変わってきます。

まず、このことをおさえておきましょう!

 

その上で、こちらの図をみてください。

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行政書士社会保険労務士せきぐち事務所

http://www.office-sekiguchi.jp/14258053475983から引用させていただきました。

 

この図で「(狭義)」と書いてあるのは、このブログでいう「もっとも狭い意味」です。

 

この図の左の流れ(被用者保険へ行く流れ)を「どこかに週30時間以上勤務している心理カウンセラー」と思ってください。

 

一方、右の流れ(一般国民保険へ行く流れ)を「週30時間未満しか勤めていない心理カウンセラー」及び「個人開業している心理カウンセラー」と思ってください。

なお、この図だと右の流れの人は介護保険に入らなくてもいいように思えるかも知れませんが、介護保険は一定の条件を満たしたら全員が加入することになります(普通は40歳になったら加入)。

 

あれ?週30時間未満しか働いてないと、労働保険にも入れないんですか?

 

いや、労働保険もちょっとややこしくて、労災保険雇用保険でまた変わってくるんだ。上の図はその辺りは組み込まれてなくてまたわかりにくいけど。。。

 

 

同じ労働保険でも、労災保険には入れて雇用保険には入れないことがある!

週30時間以上どこか特定の場所で雇われながら働けば「もっとも狭い意味」での社保、つまり、健康保険と厚生年金に入ることができることをお伝えしました。

 

今度からは少し頭を切り換えて、労働保険に焦点を移してください。

上の図からはわからないですが、実は労働保険の内、雇用保険は週20時間以上どこか特定の場所で雇われながら働かないと加入できないのです。

 

一方、労災保険はどこかに雇われて働いていさえすれば加入できます。ちなみに、保険料は払う必要がありません。

 

リヒトさんが、非常勤掛け持ちは資産的な意味でリスクが大きいってことを言っていた意味が分かってきました……!
つまり、週30時間未満だと「もっとも狭い意味での社保」に入れないし、週20時間を切るようなら、雇用保険にも入れない、ということですね!

 

そういうこと!ココロちゃんが今言ってくれたことさえ頭に入っていれば当面大丈夫だよ!

 

うーん、そこまで考えて勤務先選択したことなかったです…。

 

恥ずかしい話、僕も心理カウンセラーとして働きだしたときはそうだったんだ。色んなところを掛け持ちしていたから、雇用保険に入っていなかった。

 

もしそんな状態で大怪我したり、失業したりしたら、大変なとこでしたね。怖い!

 

 

非常勤掛け持ちのもっと怖い話 …は次の記事で

そうなんです。当時特に大きな問題は運良く起きませんでしたが、もしそうなっていたら、と想像するとゾッとします。

 

雇用保険に入ってないということは失業保険も使えないということを意味し、同時に、国民健康保険にしか入っていないということでもあるので、傷病手当金も使えないことを意味するからです。

 

こんなこと、大学院じゃ教わらなかった!!!

 

 

もちろん、非常勤で掛け持ちすることは、色んなことを勉強できるチャンスでもあるので、その人次第では「投資」になるかと思います。

 

一方、額面の給料額を求めて、SC(スクールカウンセラー)のみを掛け持ちするといった働き方は後でしっぺ返しを食らうリスクは相当大きいと思いますので、お勧めできません(ほとんどの場合、同じ学校で週に30時間も働かないでしょうから)。

 

例えば下の画像をみてください。これはSCの求人の一例です。

今まで僕がお話ししたことがこちらを見ていただければ、すぐにお分かりいただけるかと思います。

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SCだけあって、月額のお給料はいいのですが、社会保険は「なし」です。雇用保険も「なし」になっています。

 

保険料のことを考えると、非常勤掛け持ちの働き方にはもっと怖いリスクがあるのですが……。この話はまた次の記事で。