ライティングノウハウも心理職にとってはとても強い武器になるのではないか
リヒト(@r2209)です。 臨床心理士・公認心理師を生業としながら、FP2級を取り、心理職のお金廻りのことを考えています。
今回の記事は以前の記事の続き的な立ち位置となっています。
前回は、心理職の強みはカウンセリングや心理検査だけではない。心理職は他の専門家をバックアップできる。
心理職に馴染みのある行動経済学を学ぶことで、より一層のバックアップが容易になるという話をしました。
今日は行動経済学だけではなく、ライティングノウハウも心理職にとってはとても強い武器になるのではないか?というテーマでお話ししていきたいと思います。
心理職にとってライティングノウハウは強い武器になる
今回も具体的エピソードを踏まえてお話ししていきますね。
ライティング、特にセールスライティングでよく語られるサンプルですが、まずは以下のことを考えてみてほしいと思います。
これから挙げる3つのコピーのうち、どれを読んだ時に一番「買おう」と思うでしょうか。場面は「カメラ売り場」、時期は「年末」です。
①当店一の超高性能!
②本日限り! 10%OFF!!
そして最後三つめ。
③「あと何回、家族と過ごせるだろう」
どうでしょうか?
実際に自分が年末にふとカメラ屋さんに立ち寄ったところを想像してください。
確かに高性能であることや10%OFFも魅力的ですが、
「あと何回、家族と過ごせるだろう」というコピーを読んだ方が、地元の両親の顔を思い出して
「会えるうちに会って、思い出を作りたい」
と心動かされたのではないでしょうか?(もちろん、家族との関係性によってはその限りではないと思いますが)
コト消費社会に求められるものは、心
「モノ消費」の時代は終わったと言われています。
モノはすでに溢れかえり、人は必要なモノをあらかた持っているのです。
ですからモノ自身を訴えかけるコピーには、人はそれほど反応しません。
いくらそれが高性能でも、安くなっていても。
言うまでもなく、高性能をうたっているのは①のコピー、安さをうたっているのは②のコピーです。
こういったコピーはもう今の時代に合わなくなってきている。
もうこういう時代は終わったんですね。
じゃあ、どんな時代が始まったのか?
それは「コト消費」です。
コトとは要は、体験や思い出という類い。
「このカメラを持つと、自分はどんな体験や思い出を紡げるのだろう」
ということに、人は反応するのです。
いかに“心”揺さぶるか。それが現在マーケティングに必要とされる知恵の一つです。
ライティングスキルは、まさにそれを促進させる力を発揮し得ます。
“心”のことと聞いて、黙っていられないのが心理職・・・・・・とまでは言わないものの、それなりの自負が我々にはあるではないかと思いますが、いかがでしょうか?
心理職がライティングノウハウを持っていて奏功した事例
僕が体験した例をお話しします。
ある団体でのミーティングでの出来事なのですが、イベントのプロモーションにSNSを使うことになりました。
SNSは基本テキストを運ぶ媒体ですから、そこで効果的にプロモーションをしようと考えたら自ずとにライティングのノウハウが問われることになります。
ただ単に「いついつ開催です!」と言ってもそれはモノ消費を促すコピーになるだけで訴求する力は弱い。
そこで、僕は心を揺さぶる仕掛けをいくつか用意することにしました。
「?マーク」で始まる文章を先頭に持って来ることで、「あ、何かを問われている!」と読み手をハッとさせるものにしたり、
意図的に「あなた」という言葉や「簡単」という言葉を入れるような工夫だったりがそうです。
ライティングノウハウだなんて言いましたが、何も難しいことではありません。
単に行動療法でよく言われるオーギュメンティングの考えを取り入れたに過ぎないからです。
心理職なら誰でも知っている知識を単に使ったというだけの話。
でもこんな風に、
心理職が心理学の知識を活かして行ければ、もっともっと心理職が社会に貢献出来る存在になっていくのではないか、そう僕は強く思っているのです。
ライティングについての本は何冊か読みましたが、その中でも面白かったものをいくつかご紹介します。
「売る」文章51の技~説得力あるキャッチコピーとロングコピーの作り方
セールスライティング・ハンドブック 「売れる」コピーの書き方から仕事の取り方まで
まとめ
まとめます。
セールスライティングを効果的なものにするには、読み手の“心”を揺さぶる必要がある。心理職は“心”の専門家であり、心を揺さぶる仕掛けを思いつくのに長けているだろう。心理職がセールスライティングを学ぶことには、心理職にとって強い武器になるため一定の価値がある。そんなお話しをさせて頂きました。
ということで、今日は、ライティングノウハウも心理職にとってはとても強い武器になるのではないか?というテーマでお話させていただきました。
このブログでは、心理職としての働き方やお金のことなどについて僕が考えていることをまとめていきます。
それでは次の記事でお会いしましょう。それまでよい日々をお過ごしください。ではまた!