【心理カウンセラー必見】社保の保険料は4月〜6月のお給料で決まります。
リヒト(@r2209)です。前回の記事に続いて、非常勤掛け持ちをすることのリスクについて見ていきたいと思います。
前回までに見たリスクは、病気や怪我をしたときや働けなくなった時の保証がないことと、自分で医療保険や年金の保険料を全額払わないといけない、ということでしたね。
そうだね。もちろん、そのリスクは個人で開業しているような心理カウンセラーも背負うことがあるんだけど、青色申告できるできないを考えると、非常勤掛け持ちだとそれもできないから更にリスクがある。
これに加えて、まだリスクがあるんですか……
そうなんだ。今日はそれを見ていきたいんだけど、そのために、まずはどうやって保険料が決められているかを知る必要があるんだ。
社保の保険料は4月から6月までの給料によって決まる
ここでいう「社保」とは、もっとも狭い意味での社保のことを指します。つまり、健康保険料と厚生年金のことです。
この社保の保険料は4〜6月の給料(標準報酬月額)に応じて決まります。
給料に応じて、というのがみそです。
ま、今は「へえ、そうなんだ」と思っておいてくれれば結構です。
国民健康保険料はどう決まる?
一方、複数箇所に非常勤掛け持ちをしている心理カウンセラー(特定の勤務先で週30時間未満しか働いていない人)や個人で開業している心理カウンセラー(個人事業主)が入ることが多い国民健康保険と年金はどうなっているのでしょうか。
それはこうなっています↓
国民健康保険の保険料は、前年度の課税所得に応じて決まる。
さて、思い出してください。
社保は4〜6月の給料で決まるのでした。一方、国民健康保険は前年度の所得です。
給料と所得の違い、覚えていますか?
給料−経費=所得 です。
このことからお分かりのように、社保は経費を差し引くまえに保険料が決定するので、どうにもこうにも保険料をコントロールすることはできないのです(4月から6月にたくさん仕事を休んで給料を下げれば話は別ですが…)。
一方、国民健康保険の場合、経費が差し引かれた後の金額をもとに保険料が算出されるので、工夫次第で保険料をある程度コントロールできるのです。
個人開業の心理カウンセラーなら、例えば交通費、面接室のレンタル代、宣伝広告費などが経費になります。
では、非常勤掛け持ちの心理カウンセラーの経費は?
なんと、基本的にはありません!
非常勤掛け持ちの働き方では、給与所得しか貰えません。給与所得では経費が認められないのです!
非常勤掛け持ちの人は、国民健康保険に加入しているのに、経費を使って保険料をコントロールすることもできないのです。
つまり、国民健康保険の加入となっている非常勤掛け持ちの心理カウンセラー(どこか特定の勤め先で週30時間以上働いていないカウンセラー)は、所得に応じた額の保険料をまるまる支払わなければならない、ということです。
うわっ!労使折半もないし、経費も使えないしってことですね!
そういうことになるね。
なお、年金は国民(基礎)年金に加入することとなり、保険料は一定額です。
ようやく結論を理解するまでの前置きが終わりました。
長々とお付き合い頂きありがとうございます。資産を「稼ぐ」ための前置きは以上です。
非常勤掛け持ちで働き続けるリスクがご理解いただけたかと思います。
では、どんな働き方が理想なのか。
僕が最初に挙げた結論はこちらでした。
『もっとも理想的な「稼ぐ」働き方は「企業・組織に勤めながら副業して、副業が軌道に乗ってきたら開業する。もっと頑張れる人は不動産事業もはじめる」ということになる』
今までの前置きを踏まえ、少し詳しくこの結論を解説すると以下の通りです。
クライエントが集まるかわからない中でいきなり開業をするのは、相当リスクが高いわけです。
企業に勤めながら副業として開業をすれば、リスクは分散できます。企業での給与所得でなんとかやって行けるし、社保に入ることができるからです。
扶養している家族が居れば、その家族の分の保険料も勤め先が何とかしてくれます。
しかし、給与所得だけで所得の全体を引き上げるのはとても困難です。
乱暴な例ですが、例えば給与所得で時給を1,000円上げようと思うととても大変ですが(実質無理なのでは?)、事業所得であれば簡単です。
カウンセリング1回の料金を1,000円上げればそれで済むからです(クライエントが納得するかどうかはおいておいて)。
加えて、事業所得は経費が認められますし、控除もあります(特に青色申告特別控除)。
副業が軌道に乗ってきて事業所得を得ることに専念することができるくらいになれば、保険料を自分で払えるだけの体力もついているでしょうから、開業一本で自分の采配でどこまでも所得を上げていくことができます。*1
ただ、事業所得で止まってしまうとそれは結局労働所得なので、チャレンジ精神がある人は不動産事業にも手を出し、家賃収入を得るという不労所得の実現も視野に入れるとよいでしょう。
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*1:※もちろん、あんまりにも高いカウンセリング料をとるとクライエントが離れていく要因にもなりかねないので、実質は「どこまでも」は無理かも知れません。それに、一日5〜6人分くらいのセッションが体力的な限界でしょう。