これからの「心理職」の話をしよう 後編
リヒト(@r2209)です。
今日は、前回話した【これからの「心理職」の話をしよう】の後編と題して、また色々とお話ししていきたいと思います。
もしまだ前編を読んでない方は、こちらを是非お読み下さい。
まずは前回の復習
「心理職のためのお金の教科書 後編」ということでお話ししていきます。
最初に簡単に前回の復習をします。
納税の方法には年末調整と確定申告があって、更に確定申告には青色申告と白色申告があるという話をしました。
多少面倒なんだけど、青色申告の方が色々と優遇されているのでそっちにした方がいいということでしたね。
ただ青色申告するためには心理職の場合、事業所得である必要があるので、何とかして事業所得に繋がる仕事を創造していけるといいよね、という話もしました。
心理職として事業所得を得る手段の代表的なものが「開業」です。
開業はあくまでも一例であって、必ずしもそれが唯一の正解ではないと思います。
しかし、実際に開業「する」「しない」に関わらず、「もし開業するとしたら」ということを念頭においた働き方はしておけるとよいかと思います。
この観点は、凄く重要です。
その理由はまた詳しくお答えしていきますね!
アジェンダ
ここまでが前回の復習でした。
では、今日のアジェンダですが、以下の4つです。
・正しい年金の考え方
・貯蓄のコツ
・投資って実際どうなの?
・5G時代の心理職
正しい年金の考え方
ではさっそくいきましょう。
最初は年金の話から。とはいえ、前回先走って少し話してしまったので、復習もかねてます。
年金の話は前回の「開業」の話とも絡めながら説明します。
開業できるといいよ、という話を前回しました。
それは「老後生き抜くため」というのが主立った理由でしたね。
老後の話をするとなんだか暗いイメージがしますので、ちょっといやな気持ちになりますよね。
けど、よっぽどの不幸がない限り必ず訪れる状況ですから、今のうちに対策を考えておく方が無難かと思います。早ければ早いほどいいですね。
「僕たち」の「老後」って、どういう世界か。ここを理解するのが非常に大切です。
僕たちの老後。ここ、後でまた強調するので、頭の片隅に入れておいてください。僕たちの老後。
最近、ニュースでとっても大きな話題になった、「老後2,000万円問題」、ありましたよね?
あれって、結局どういう話だったかわかりますか?何が2,000万足りないだなんて話になったんでしたっけ?
年金ですよね?
そうです。じゃ、なんで足りないっていう状況になってきたのかは分かりますか?
様々な理由があると思いますが、ここでは以下の2つを考えたいと思います。
それは、少子化と平均余命の延長です。
少子化は現役世代が少ないことを意味しますし、平均余命の延長は現役を退いた後の生活が長くなるということを意味します。
この2つ、もちろんどっちも大変な問題なんです。
ですが、こと「年金」という意味においては、平均余命の延長の方が問題としては大きいと個人的には思っています。
なぜなら、少子化問題の影響は、年金保険料を払う人を増やせば相殺されるわけだからです。
最もダイレクトな対策は子育て支援です。子どもを安心して産める社会になれば、出生率があがるかもしれません。
それ以外なら、外国人労働者を積極的に受け容れたり、払える人はちょっと多めに払ってもらったり、他の財源を当てたり。そういうことが可能です。
実際、昔は年金の財源の3分の1が他の税金でしたけど、今は2分の1まで増えてますからね。
もちろん、これらの対策をとったからといって万事解決という訳じゃなくて、他の問題も出てくるかも知れませんが、まあ、対策のしようはあるということです。
一方、平均余命が延びている問題。これにはどう対策しましょうか?
平均余命が延びている理由の一つに医療技術の向上があります。
「平均余命が延びて困っているので、もうこれ以上医療技術の開発はストップします」
できませんよね。
では、ある一定の年齢になった人たちを「お勤めご苦労様でした」とかいって、おばすて山に捨てに行きましょうか?
もちろんこれもできません。
平均余命が延びている問題。こっちはちょっと良い対策が思いつかないです。
対策できない問題があるということは、 「僕たちは、長生きしてしまう」ということを意味します。それを止める策はないと言っても過言じゃない。
だったら、もう、長生きしてしまうリスクを負っているという前提で生きるしかないんです。
この長生きリスク、どんどん高まっています。今の老後は「人生100年時代」という風に言われます。
じゃあ、「僕たち」の老後は?
極端に言えば、人生120年時代になっているかもしれません。
60歳で退職したとしたら、もうワンクール生きなきゃいけないくらいになっているかもしれないのです。
60年働いて、もう60年は働かずに年金だけでやっていく。
どう考えたって無理ですよね。
でも、こういう不思議な解釈をしてしまうのも無理はないんです。というのも、多くの人が年金を誤解しているからです。
年金はリタイアした後に、自分への労いとしてゆっくりと余生を送るために積み立てたお金、つまり貯蓄だと思ってませんか?
そうじゃないんです。
年金というのは、そもそも、働けないにもかかわらず思った以上に長生きしてしまったリスクに備える「保険」なんです。
例えば、車両保険に入ってたとして、「俺は事故にあってないから、保険金が下りなかった!許せない!」って思う人、あんまりいないじゃないですか。
それは「保険は万が一のもの」と分かっているので、「結果的に保険料はもったいなかったかもしれないけど、事故に遭わないのが一番だからよかったとしよう」と思えるからです。
本来、年金もそういう性質のものなんです。極論、貰えなくても仕方がないもの、というのが正確な位置づけ。
老後2,000万円問題というのは、
「年金を貯蓄だと思ってると痛い目みまっせ」
という政府からの忠告(脅し?)だったんですよ。
政府はその忠告を使って、国民に次のことが言いたかったんです。
①「老後を短くする策を考えてください」
②「貯蓄をしてください」
③「投資をしてください」
こういったことによってお金を作っていくリテラシーを促そうとしたんです。
でも、思った以上に年金を貯蓄と勘違いしていた人が多かった。これが「老後2,000万円問題」が炎上した理由です。
勘の良い方はお気づきになったかもしれませんが、上記①に該当するのが、僕がお話しした「開業」にあたります。
そして、②と③に該当するのが、今日これからお話ししていく「貯蓄のコツ」と「投資って実際どうなの?」にあたります。
開業について、すこし余談
少し脱線しますが、開業について触れておきたいことがあります。
心理職は薄給だと言われます。
厚労省の統計リサーチによると、臨床心理士の平均年収はおよそ340万円という結果だそうです。
大学院まで出てこれです。
このような現状のため、心理職を選ばなかったという人もいるでしょう。
ただ、それは働き方次第かなと僕は思っています。実際、先ほど呈示した平均年収340万というのは給与所得の数字です。
給与所得とは、つまり、勤め先から給料としてもらうお金のことです。
事業所得であればまだまだ可能性があるということです。
前回の記事でも言いましたが、心理職の仕事って基本的に、特にカウンセリングなんかは身体的な労働力はそれほど必要としません。
極論、首から上が働けば仕事出来ます。頭も使うからボケない笑
あくまでも比較論ですが、歯医者さんが独立するのなどに比べれば、初期投資もそんなにかかりません。
どこかオフィス借りるにしても、最小単位で考えれば、カウンセラーとクライエントの2人が入れる部屋で済むので賃料もそんなに高くはないでしょう。
道具も、最小では椅子2つと机が1つあれば良し。
もっと言ってしまえば、リモート機能を使うことだってできます。もしそれが出来れば、在宅で仕事ができる。
こういった参入障壁の低さは、心理職の仕事の強みかなと僕は思うんです。「人生120年時代」においては大変心強いですよね。
誤解しないで!
念のためにお伝えしておきたいことがあります。
僕は「開業」をあくまでも一例としてあげているだけであって、決して「開業」が簡単なものであるとか安易に考えているわけではないということです。
確かにスタートは比較的容易かもしれませんが、継続はめちゃくちゃ大変だと思います。
でもだからこそ、常に「開業」を考えておく必要があるように思います。そうやって、イメトレしておくのです。選ばれ続けるカウンセラーとなどんなカウンセラーなのか、と。
実際に開業しなくても、「開業するかも」と意識するだけで、
「もっともっとスキルを身につけないと」
と、自然と動機づけられるから心理職としての市場価値は高まると思うからです。
この考えをTwitterでもツイートしたところ、ある方から、
「常に市場価値を意識しておかないと置いて行かれる」
「実力の伸び率に影響する」
と共感的に理解して下さる方がいました。
この方は新しい心理職の働き方を開拓している僕の尊敬する心理師の1人で、やはりそういう方はちゃんと理解して下さるのだなと大変ありがたく思いました。
話を年金に戻しますね
ちょっと話が脱線してしまいました。すいません。
話を戻します。
開業は「老後を短くする策の1つだ」という話でしたね。
老後を短くする、つまり、働ける時間をできるだけ延ばすと、当然ですが年金を必要としない期間もそれに伴って延びていくということを意味します。
これって、年金の仕組みを知っていると、とても合理的であることがすぐにわかります。
ここでクイズです!
年金って何歳で貰えるか知ってますか?
正解は
60歳から70歳の間!
です。
基本は65歳で、その前後5年の間で自分で選べます。
ただ、注意があって、1ヵ月前倒しにする度に0.5%減額しが額が支給されることになってしまいます。
でも、逆に1ヵ月後ろ倒しにすると、その度に0.7%増額して支給されます。
70歳から貰うとなると、12ヵ月×5年×0.7なので、42%増額です。しかもこれが一生死ぬまで。
70歳まで余裕を持って働けるようになっていることが如何に合理的か分かりますよね?
貯蓄のコツ
さて、続いてのアジェンダ「貯蓄のコツ」を見ていきましょう。
今までは老後の問題に対する策として「開業」についてお話ししてきました。
ただ、いくら心理職なら他の仕事よりも参入障壁が低いといっても、この方法はやっぱりハードルが高いと感じるかもしれないですね。
そもそも開業に興味がない人もいるかと思います。
その他の策もあるとよいですよね!
2つあります。
1つが、「貯蓄する」です。
「なんだそんなことかよ〜」と思われました?
でもちょっと待って。
皆さんはどうやって貯蓄してますか?
どうやって貯蓄する額って決めてますか?
そのルールを徹底してないと、とうてい貯蓄は出来ません!!
貯蓄の原則
貯蓄額は、収入の2割程度にするのが良いと言われています。
勘で決めるのではなく、明確な根拠を持って決める。初めから「2割」と決めてしまうんです。
「残った額を貯金に回そう」では絶対と言ってよいほど貯まりません!!
だって、あったらあった分使いたくなるじゃないですか。それが人間ってものです。
だから、お金貯めたいなら、始めに貯金ありき。
よく言われるのは、2割貯金、6割で生活、残り2割は自由、が理想とのことです。
これは、262の原則と呼ばれます。
手取りが20万ある人は、4万貯金、4万自由、12万で生活するようにライフプランを組み立てるのです。
12万の中で生活すると決めれば、どのグレードの賃貸に住めば良いかとか何となく分かりますよね?
これさえ毎月守れば100%確実に貯金ができます。
節約にもコツがある
あとは、正しく節約することも非常に重要で、できれば12万も使わない生活にしていきたい。
これから正しい節約の仕方をお伝えします。皆さん、メモしてください。準備は良いですか?
まずは、こまめに電気を消します。いいですか?これが1つ目。
そして、ちょっとでも安い食材があるのなら、それを買うために隣町まで自転車こいで行く。車はガソリン代がかかるからNG。電車バスなんてもっての外。これが2つ目。
こういった細々したことを積み重ね…ない!!
これが正解です。笑
こんなことをしても、節約できるのはせいぜい数100円程度でしょう。
労力に全然あいません。全く。
むしろ、精神的に貧乏になります。
「あんた!またトイレの電気つけっぱなしじゃない!いい加減にしてよ!!」
そんな風になるのがイメージ出来ちゃいますよね・・・。
じゃあどうするのが正解か。
これは多くの人が言っていることですが、やはり、固定費を下げることが最も重要です。
例えば、いらない保険は全て解約。月に5,000円以上の保険料があったら、払いすぎている可能性は非常に大きいと言われています。
「いらない保険」という本があるのでオススメです。
後は、通信費。
スマホ、PCなど月の通信費全て含めて僕は4,000円弱におさめています。
10,000円を超えている人もいるでしょうから、その人と比べると年72,000円も僕は節約できていることになります。
何もしなくてもこれだけ差がつくわけですから、大きいですよね。
車や家はどうする?
後は車とか家とかをどうするか、ですね。
でもこれは人それぞれ色々考えがあるので・・・
お好きにどうぞ(笑)
ただ、不動産に勤めている方に「持ち家がいいのか、それとも賃貸が良いのか」という話を直接聞いたことがあるので、その情報だけ共有します。
「持ち家と賃貸だと持ち家の方がお得」
とのことでした。
ただし、条件があるみたいです。
「資産価値のある家ならね」
つまり、駅から遠い、坂道多い、土地の値段が下がる可能性がある。こういった家は間違いなく負債です。
ローン払い終わったら現物が手に入るから資産だなんて考えは間違っています。
35年ローンで払い続けて、ようやく手に入るのは35年の年期が入ったボロい家。そんなものに資産価値があると思う方が間違っている。
って、不動産屋さんが言ってました!
700万の価値しかないものを1,000万で購入し、1,000万以上で売ったり貸したり出来ないのなら、それは負債です。
その不動産屋さんはこんなことも仰ってました。
「素人は良い家を見極められない」と。
そして
「不動産屋は悪い人も多い」と。
家を買うか買わないかは、あなた次第!
投資って実際どうなの?
では、最後3つ目のアジェンダ「投資って実際どうなの?」にいきましょう。これも「貯蓄」に続く開業以外の老後対策になります。
投資と言うとギャンプルだ、怖い、という印象を持つと思います。
でも、それは大きな誤解です。投資は立派な経済活動の1つで、何も怖いことなんて1つもない。
例えば、株式投資なら、企業にお金を渡してそのお金で利益を生み出してもらって、経済を豊かにしてもらう。
それが実現することができたら、投資した企業から感謝の証として配当金が貰える。
誰か不幸になってますか?
とはいえ、怖いことが実際に起きることもあるかもしれません。
例えば、皆さんがこんな話を聞いたらどうしますか?
株式投資において、
「利回り30%の投資があるよ」と勧められたときと、
「利回り10%の投資があるよ」と勧められたときと
「利回り5%の投資があるよ」と勧められたときと。
全く投資のことを知らなかった場合、どれか選ばないといけないとしたら、どれを選びますか?
多分多くの人が普通30%を選ぶか、間を取って10%を選ぶと思います。
僕ならどうするか。
間違いなく僕は5%を選びます。
と言うのは、何に投資するか、どれくらいの期間投資するかよってももちろん違いますが、平均の利回りはだいたい3〜5%と言われているからです。
要は、30%とか10%は、ぼったくりの詐欺である可能性が高いのです。
こういうこと(平均の利回り)を知っていれば、投資を詐欺と一緒くたにすることは少なくなりますね。
知らないから怖いと思うだけで、勉強すればそんなことはありません。
あなたは心理職としてクライエントにCBTで曝露をしてもらったことはないですか?
もしあなたが心理職で投資に不安があるのなら、投資という不安に曝露しましょう。
これは僕の印象ですが、お金に関して不平不満を言う心理職の人は多くても、お金の勉強をしている人はあまり多くないように思います。
実際、ある方の「心理職はお金が足りない」といった内容のツイートに(僕が確認した時には)40以上のいいねがついてました。
「心理職=お金がない」というイメージが、それだけ固定されているんですね。
勉強すればいいのに、と思いますが、皆さんはどうですか?
10分愚痴を言うのと、10分勉強する。どっちがいいですか?
勉強しないで「お金がない」と言っているのは、「俺はボクサーになる」といっているのに、パンチもガードも覚えずに殴られるままになってるのに「痛いんですけど!」と不満を言っているのとそう変わらないと思います。
不満を言っているだけでは何も変わりません。
僕はずっと痛い思いするのに堪えられないので、 パンチもガードも練習しますよ^^
新しい学習指導要綱
ちなみに、学校臨床をしている人は知っているかも知れませんが、学習指導要領が新しくなりました。
小学校は2020年度、中学校は2021年度、高等学校は2022年度から、新しく始まります。
何とその中に、「起業に関する教育」や「金融教育」も含まれているんです。
つまり、何が言いたいかというと、今日話している話って、実は未来の子ども達にとっては一般教養になる話で、実は知らないとちょっと恥ずかしい話になっていくことなんです。
だから、開業も貯金も節約もそうだけど、実は投資って、本当はそれくらい身近な話なんですよ。
おそらく日本国成立以来、最も投資を始めやすい時期は今です。
国が老後2,000万円問題で国民を煽った理由の最も大きなものの1つが、投資文化を促そうとしたからですから。
国がプッシュしている投資、その代表がつみたてNISAとiDeCo(イデコ)です。
つみたてNISAとは
つみたてNISAは月に約33000円を上限に毎月コツコツと最長20年間積み立てていく投資法だと思ってください。
投資信託といって、投資のプロが運用してくれるので一度始めてしまえばほぼほぼやることはないので非常に簡単です。
投資する商品は自分で選べます。
投資できる商品は国内債券、海外債券、国内リート、海外リート、国内株式、海外株式が大まかにあって、今言った順番でリスクが低いです。
自分の年齢とか生涯プランに応じてどれを買うか決めましょう。
例えば、若くて結婚してなくて子どももいないような人は、今後すぐに大きいお金が必要になると言うこともないし、リカバリーも効きやすいでしょう。こういう人は一番リスクの高い海外株式を買ってもいいかもしれません。
もちろん、これらを組み合わせることもできます。
リスクだけをとるのは怖いから、リスク分散のために7割株式、3割債券を買う、とかですね(債券や株式などがパックになったバランス型というのもあります)。
ちょっとシミュレーションしてみましょう。
もし、月に1万円つみたてNISAで20年間年利5%で投資できたとしましょう。
先ほどもお話した通り、5%という数字は全然あり得る数字です。
さて、この場合、20年後いくらになっているかわかりますか?ちなみに元本は240万です。
正解は、なんと、406万(以上)です。
つみたてNISAは1月に約3万3000円を投資できますので、この場合も考えてみましょう。元本は792万円です。
この場合、20年後、1342万(以上)になっています。
どうです?
これだけあれば、ほぼほぼ老後2,000万円問題、解決です。
元来、このような手軽さや知識がそれほどいらない敷居の低さから、ぼったくりの投資信託が多かったそうです。
ですが、つみたてNISAは国がしっかりと「ぼったくりかそうじゃないか」を調べ上げて、ぼったくりじゃないと認めた商品しかありませんので、更に安心です。
しかも、ですよ。
本来投資で儲けたお金って、20.315%の税金がかかるんですが、つみたてNISAではそれが非課税になります。
つまり、先ほど話した1342万円がそのままあなたのものに。
より詳しくは過去に記事にしていますので、そちらも参照して下さい。
iDeCoについて
続いてはiDeCoについてです。イデコと読みます。
これも基本的にはつみたてNISAと同じだと思ってください。
投資商品を自分で選んで、プロに運用してもらうものです。
ただ、つみたてNISAとの違いはもちろんいくつかあります。
iDeCoは個人型確定拠出年金というのが正式名称で、その名称にある通り、年金なんです。
ですから、60歳にならないとiDeCoで積み立てたお金は手元に入りません。更に、60歳まで積み立てている間は税金がかかりませんが、受け取る時に税金がかかります。
とはいえ、積み立てているお金は全額が小規模企業共済等掛金控除として、節税対策になります。
「控除」の話は前回の記事でもお話ししましたね。
税金を安くするためのお得な制度でした。
所得−控除に対して税率がかかります。
だから所得300万の人がもしiDeCoで50万つみたてたとしたら、300万引く50万になるので、250万に対してしか税率がかからない、ということになります。
投資が節税になるって普通あり得ないですよ。
iDeCoは拠出できる金額が働き方等によって変わりますので、興味ある方はこちらもどうぞ。
また、iDeCoについては過去にざっと記事でまとめているのでこちらもどうぞ。
5G時代の心理職
さあ、最後は「5G時代の心理職」の話をしてみたいと思います。
この話、ある意味どんでん返しです。
というのも、今まで散々「お金」の話をしてきましたが、実は「お金に価値がなくなるかもよ」というお話だから。
「え?どういうこと?」
と思われたかも知れません。このことを理解するには5Gについておさえておく必要があります。
5Gとは
5Gって、スマホの話だけじゃないんです。
5GのGってジェネレーションのことです。5Gは今までとはことなるジェネレーションがやってくるよ、新しい波が来るよ、第5波が来るよ、ということです。
何が新しいか。
それは、ざっくりと説明すると、中央集権型の社会から自立分散型の社会になっていく、ということです。
経済活動は今までは全部中央集権型社会でした。
経済活動は消費経済と資本経済に分けて考えることができます。
消費経済とは、お給料をもらって物を買うなどしてお金が回る経済活動です。いわゆる庶民、労働者の経済です。
一方、資本経済とはお金でお金を生む経済のことです。投資家の経済です。
会社は設備投資をしてよりたくさんのより良いものを生産し、それを消費者が買うことで利益を出していました。
r>gというピケティが導いた傾向からわかるように、物を作って売れば売るほど企業は儲かっていくのです。
企業は株主つまり投資家のものですから、どんどん投資家は儲かっていくということです。r>g とは、労働収益の伸び率よりも資本の伸び率が高いということを意味します。
そのお金の価値は中央、つまり国によってコントロールされ、ある程度一定に保たれています。今日の1万円の価値は明日も1万円です。
しかし、「お金」という意味での資本においては、近い将来、この傾向もどうなるか分かりません。
というのも、資本主義経済の限界を迎えつつあるからです。
僕たちはもう物がいらない
資本主義経済の限界とはなんでしょうか。
それはもう、物がいらないということです。物があふれかえっているのです。
資本主義はどんどん物を製造し、良い物を世に広めるために必要な仕組みでした。
しかし、僕たちは必要な物を既に手に入れ尽くしているのです。
日本はインフラが充分に整備されているので車を必要としません。どうしても必要な時はシェア出来れば充分。
典型例はUber(ウーバー)でしょう。
世界最大のタクシーの会社はUberですが(正確には配車サービス会社です)、Uberはタクシー車を一台も持っていません。
Uberに登録している人が、自分の持っている車で客を拾うのです。
日本でUber Eatsは広がっていますが、あれも特別な配達員がいるわけではなく、Uber Eatsに登録した個人が配達しているに過ぎません。
タクシー会社なのに、タクシーが必要ない。
このように、現代人は物をそれほど必要としなくなったのです。
投資家による資本経済は、庶民の消費経済の上に成り立つものです。
消費経済が冷え込むとどういうことが起きるかと言うと、物に対してのお金の価値が上がります。需要と供給の関係ですね。
今まで100万円で売れていた車が50万円に下げてようやく売れるのであるとすると、お金の価値が2倍になったのと同じです。
100万円で一台しか買えなかったのに、いつの間にか二台買えるようになったのですから。
つまり、資本家は実質ますますお金を手にすることが出来るようになるということです。
もちろん、さっき例に示したように、急にお金の価値が2倍に変動したら秩序が保てなくなります。
ですから、中央集権である国はこういう事が起きないように、お金を流通させようとします。例えば、低金利で企業にお金を貸し出しどんどん生産を促そうとするなど。
しかし、物が売れなければいくら作っても無駄です。
物が売れない→お金が実質的に増える→資産家が一人勝ち
こうなると、我々庶民は当然面白くないわけです。
「どうして自分たちは汗水流して働いているのに経済的に豊かにならないんだ」と。
お金の価値観が変わってきている
その違和感に気づいた時、「お金」に対する価値観が変わります。
「待てよ。お金よりも大切な物ってあるんじゃないか」
お金によって価値がつけられないものに価値がつくようになりつつあるのです。
例えばインフルエンサーの影響力、例えば高齢者を支える介護技術、例えば少子化対策を担う保育士、例えば悩める人を癒す心理職。最後のは希望的観測ですが笑
お金はもともと「価値」を示すためのツールでした。
「価値」を担保するものであえれば、お金である必要は本来ないのです。実際、貨幣が登場する前は貝や塩がそれの替わりを担っていました。
ところが、長らく「お金に価値を代表させる」という資本主義経済が続いたことで、いつしか「お金に価値がある」と逆転した価値観が定着してしまったのです。
本来、「お金」と「価値」は別物です。
人々はこの2つを一緒にすることは変だ。おかしい。違和感がある。という感覚を取り戻し始めました。
もうお金に価値がある時代は終わろうとしています。
実際、近年はブロックチェーンに対しての期待が高まっています。
これについて詳しく話すとそれだけで数時間はかかるのでごく簡単に説明しますが、今日はとりあえず、「ブロックチェーンとは、中央集権的な形態から、自立分散型のシステムを構築するツールの1つだ」と思ってください。
探したら凄くわかりやすい動画がありました!さすがパーフェクトヒューマン!
ブロックチェーンの話は中田さんに任せるとして、話を進めましょう。
今まで説明したように、経済活動は中央集権的な形態で進められてきました。
日本で言えば日銀から発行される日本銀行券で我々は生活していますし、世界レベルで言えば、我々の商品購入履歴は全てアマゾンのビックデータに収められています。
ある意味、巨大な組織によるトップダウン型のネットワークなのです。
ところが、ブロックチェーンは中央で統括するものは誰もいないシステムです。
互いが互いの情報を平等に共有し、監視し合うのです。自分たちだけでお金に変わるものを作り、それ交換し合ってもいいのです。
気づいた方もいらっしゃるのでは?そうです。この仕組みを利用したのが仮想通貨です。
通貨という名前がついているのでこれも「お金の一種」と勘違いしてしまいそうですが、より正確には「暗号資産」です。
つまり、少々乱暴な言い方をすると「それ、資産価値があるよ!すごいよ!」と皆にネット上で認められればそれは全部「暗号資産」です。
このシステムが世界中で標準化されれば、GAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)が支配する世界に変革が起きると言われています。
中央に誰かが居る必要がないし、お金も必要としないからです。
こんな時代はすぐそこに迫っています。
最後に
いかがだったでしょうか。
今日はお金の話をしました。
しかし、お金だけにこだわらないでください。もう5Gの時代は来ているからです。
お金は何かの「価値」と交換するためのツールでしかありません。
資本主義経済が長らく続いたことで、お金が価値を持ってしまいましたが、これからはお金そのものがなくなります。
では、何が価値を持つか。それは人そのものです。
僕たちの仕事はまさに人を相手とした仕事です。人を幸福にするスキルに対して価値を付与する世界がすぐそこまで来ています。
そうなった時、僕たちの仕事に対する対価はお金ではないかもしれません。
僕たちの仕事の価値はとても高いものです。未来の僕たちは、お金以外のものできっと満たされていることと思います。
そんな時代に備えるために、僕たちは知識を得ていかなければならないし、スキルを身につけていかなければなりません。
出来ればもう一度、この記事を読み返してください。
僕がどうして「開業を意識した働き方を」という話をし続けたか、その理由が今ならより一層ハッキリとわかると思います。
読み返していただけました?笑
おまけ
今回の記事と同じような内容はこちらから聞くことができます。
最初の方、音声トラブルでもたついてしまっています。すいません。4分25秒あたりまでスキップして頂けましたらと思います。
— 徳田勇人@臨床心理士 (@shinri_t) 2019年12月23日
では、次の記事でお会いしましょう!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!