心理職でもできる資産形成と運用

心理職でもできる資産形成と運用

FP×心理Thによる資産にまつわるアレコレのお話

公認心理師もストレスチェック実施者になれるように!ストレスチェックについての基礎をおさえよう!

 

リヒト(@r2209)です。今日はストレスチェックについて。意外と心理カウンセラーの方も知らないことも多いのではないかと思うので、簡単にお話しておければと思います。

 

厚労省の資料を見たことがあるんですが、なんだかごちゃごちゃしててよくわかりませんでした…https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei12/pdf/150422-1.pdf

 

そういう人のために、僕たち心理カウンセラーに直接関係ある部分だけをまとめてお話しますね!

 

 

ストレスチェックとは

ストレスチェックの実施は、2015年12月施行の改正労働安全衛生法で定められました。

労働者のストレスの程度を定期的に把握する制度で、50人以上の従業員がいる事業場(本社、支社、営業所など)では、1年に1回の実施が義務付けられています。

 

50人未満の事業場については、努力義務となっていますが、できるだけ実施することが望ましいとされています。

 

この制度の目的は、労働者が自身のストレスの状況に気付くことや、事業者が職場改善をして働きやすい職場をつくることで、メンタルヘルス不調を未然に防ぐことを目指しています。

 

ストレスチェックは誰にでもできるものではなく、

ストレスチェックの「実施者」でなければ実施できません

 

「ストレス」というと心理的な問題であり、僕たち臨床心理士に最も関係が深いテーマですので、臨床心理士も実施者になれそうな気がしますよね?

 

しかし、残念ながら臨床心理士ストレスチェックの実施者になる資格がありません

 

 

ストレスチェック実施者

ではどういう人がなれるのでしょうか?

2018年7月までは、産業保健や精神保健に関する知識を持つ医師、保健師、必要な研修を修了した看護師や精神保健福祉士でした。

 

俗にいう、心理カウンセラーと呼ばれる人は実施者になれなかったのです。

 

しかし、2018年7月11日の労働政策審議会安全衛生分科会の答申を受けて、

必要な研修を修了した歯科医師公認心理師が加えられました

 

公認心理師が加わることで、ようやく心理カウンセラーもストレスチェック実施者になれるようになった、ということですね。

 

 

ストレスチェック実施者研修とは

公認心理師も「必要な研修」を受ければ、ストレスチェック実施者となれます。

 

では、「必要な研修」とはどのような研修でしょうか?

それは、ストレスチェック実施者研修と呼ばれる研修で、厚生労働省が認定した機関だけが行うことができる研修です。

研修を受けてみたい、という方は以下のサイトをご覧ください。東京などは毎月行われているようです。費用は15,000円程度かかります。

 

kokoro.mhlw.go.jp

 

研修内容は主に「労働者の健康管理」、「事業場におけるメンタルヘルス対策」、「事業場における労働者の健康の保持増進を図るための労働者個人及び労働者の集団に対する支援の方法」の3つです。

 

  

ストレスチェック実施者としての役割

公認心理師ストレスチェック実施者として果たせる役割は大きく3つ挙げられます。

 

1.調査票に対しての意見

まず、事業者がストレスチェックの調査票を決めるに当たり、事業者に対して専門的な見地から意見を述べることができます。

 

ストレスチェックに用いる調査票には、実は決まったものはなく、事業者が任意に決めることが出来ます。

 

ただ、最低限必要な要件として下記の3領域を含むことが労働安全衛生規則によって規定されています。

 

職場における当該労働者の心理的な負担の原因に関する項目

当該労働者の心理的な負担による心身の自覚症状に関する項目

職場における他の労働者による当該労働者への支援に関する項目

 

上記が含まれる物であれば、何でも構いません。

とはいえ、厚生労働省としてはストレスチェックの項目として上記の3領域を含んだ「職業性ストレス簡易調査票(57項目)」を用意しており、こちらを使用したストレスチェックの実施を推奨してはいます。

 

こちらのリンクから確認してみてください。

https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei12/dl/stress-check_j.pdf

割と簡素なものなので、すぐに終えることが出来るかと思います。

 

2.高ストレス者の選任

次に、実施した調査票の結果をもとに、高ストレス者の選任を行います。

 

実施者は、上記した

 

②「心理的な負担による心身の自覚症状に関する項目」の評価点数の合計が高い者か、

 

①「心理的な負担による心身の自覚症状に関する項目」の評価点数の合計が一定以上の者であって、かつ、①「職場における当該労働者の心理的な負担の原因に関する項目」及び③「職場における他の労働者による当該労働者への支援に関する項目」の 評価点数の合計が著しく高い者

 

高ストレス者として選定できます。

 

3.面接の必要性の判断

3つ目には、ストレスの程度の評価結果に基づき、医師による面接指導を受けさせる必要があるかどうか判断することが求められます。

 

高ストレス者として選任され、医師による面接指導の必要性を指摘された労働者は、事業者に対して医師の面接指導を受けることを希望することができます。

 

しかし、必ずしも高ストレス者全員が医師による面接指導を希望するとは限りません。

その場合、ストレスチェック実施者は、必要に応じて、相談、専門機関の紹介などの支援をすることが望ましいとされています。

 

  

実施者としての公認心理師の需要

先ほどもお話ししたように、労働安全衛生法が改正されたことで、公認心理師も必要な研修を受けさえすればストレスチェックの実施者となることができるようになりました。

 

公認心理師公認心理師法によって、 

(1)心理に関する支援を要する者の心理状態の観察、その結果の分析

(2)心理に関する支援を要する者に対する、その心理に関する相談及び助言、指導その他の援助

(3)心理に関する支援を要する者の関係者に対する相談及び助言、指導その他の援助

(4)心の健康に関する知識の普及を図るための教育及び情報の提供

 

の4つの行為を行うことを業とする者と言われており、ストレスチェックの実施はまさに上記を満たすものとなっています。

 

従って、ストレスチェック実施者として公認心理師の資格を持っていることへの需要は、今後ますます高くなっていくことが予想されます。

 

 

まとめ

2015年の労働安全衛生法改正で、ストレスチェック制度が50人以上の従業員がいる事業場において義務化されました。

そのストレスチェックを実施するには、実施者になる必要がありましたが、当時は臨床心理士は実施者になれませんでした。

 

要は、心理カウンセラーは実施者になれなかったのです。

 

ところが、2018年7月から、必要な研修を受ければ公認心理師ならば実施者となることが出来るようになりました。

 

ストレスチェック公認心理師の職責ともマッチしており、今後需要が高まってくることが予想されます。

 

 

ストレスチェック実施者となっていれば、産業領域への転職を考える場合、有利になる可能性は高いです。

興味のある方は研修を受けることをお勧めします。