【心理カウンセラー必見】多職種連携のための基礎年金入門 これだけ知ってれば問題なし!
リヒト(@r2209)です。今日は、基礎年金に話を絞ってお話していきます。
基礎年金は、年金の一階部分ですよね
そうだね。基本的に20歳以上になれば誰でも加入することになるから、しっかりと勉強していこう!
保険料と給付の総額
基礎年金の保険料は月額16,410円で固定です(2019年度)。
従って、16,410円×12ヵ月で、年間の保険料は196,920円で約20万円です。
これを20歳から60歳までの40年間払い続けたとすると、総支払額は約800万円となります。
「どうせもらえないのに、こんなに払わないといけないのか!?」
と思われました?でも、ちょっと待って下さい。この800万円という数字が本当に高いのかどうかは、以下のデータを見てから判断しても遅くはないですよ。
まずは、年間で給付される年金額について見てみましょう。
65歳から給付される老齢基礎年金は、未納がない場合満額で780,100円(2019年度)となります。従って、月額は約65,000円です(ちなみに、国民年金の実際の平均支給額は月額5.5万円(年額66万円)とのことです)。
さて、今度は平均寿命を考えましょう。老齢基礎年金は一生涯支給されますから、平均年齢を参考にすると、大体どれくらい年金がもらえるのかのイメージを持つことができます。
日本人の平均寿命は、男性が約81歳、女性が約87歳となっています。
こちらの記事を参照しました。
平均寿命、男女とも最高更新 世界で女性2位、男性3位:朝日新聞デジタル
ということは、大体どれくらい将来基礎年金を受け取れるのでしょうか?
男性は780,100円×16(81歳−65歳)で12,481,600円。約1,250万円です。
女性は780,100円×22(87歳−65歳)で17,162,200円。約1,720万円です。
どうでしょうか?最初の印象と少し変わりましたか?
支払額は総額で約800万円と高額ですが、基礎年金はきちんと未納無く支払えば、得を取れる年金であることがわかります。
付加年金
続いては、基礎年金独自の制度にお話しします。まずは付加年金についてです。
付加年金とは、第1号被保険者のみの制度です。
任意で月額400円を基礎年金保険料に上乗せして納付することで、老齢年金に「200円×付加年金保険料の納付期間」が加算されるものです。
日本年金機構のサイトにさえ「付加保険料を納めた分は、2年間でモトが取れます!」とあるほどですから、知っている方は得をする制度だと言えます。
ただ、後述する国民年金基金との併用はできません。
国民年金基金
国民年金基金とは、第1号被保険者が国民年金に上乗せして受給するための年金制度です。
掛金の拠出限度額は、確定拠出年金(分からない方は「iDeCoのことだ」と思ってくだされば結構です)と合算して月額68,000円です。
掛金は全額が社会保険料控除の対象となります。ただし、基金から任意に脱退できませんので、その点は注意です。
繰り上げ受給・繰り下げ受給
老齢基礎年金は基本的に65歳からの受給です。しかし、それ以前から受給することにしたり、逆にそれ以降から受給することにすることができます。
65歳以前から受給することを繰り上げ受給といいます。
将来どうなるかわからないので、早めに受け取れるのはメリットですが、繰り上げた月数×0.5%が年金額から減額される点はデメリットと言えるでしょう。
仮に60歳から支給を受けるとすると、5年(65歳−60歳)×12ヵ月×0.5なので、30%引きです。
計算上、75歳までに死亡した場合は、60歳から受給するのが一番得を取れるようです。
一方、65歳以降から受給することを繰り下げ受給といいます。
受け取れる時期が遅くなるのはデメリットになり得ますが、繰り下げた月額×0.7%が年金額に増額されるのはメリットと言えなくもないでしょう。
仮に70歳から支給を受けるとすると、5年×12ヵ月×0.7なので、42%増です。
81歳以上長生きしたら、70歳から受給するのが一番得を取れるようです。
81歳というと、男性の平均寿命ですから、判断が難しいですね。
ところで、年金は知らない間に振り込まれている、という類いなものではないからホントやっかいです。自分で請求しないと年金は受給できません。これを申請主義といいます。
障害基礎年金
年金というと「老後に貰える」というイメージが強いですが、老後に給付される老齢年金だけではなく、障害年金や遺族年金もあります。
障害基礎年金には1級と2級があります。
ともに受給要件は、①初診日(病院に行った日)に基礎年金の被保険者であること(保険料を払っていること)、②障害認定日に障害等級の1級か2級に該当することです。
障害認定日とは、初診日から1年6ヵ月たった日か、障害が固定されてそれ以上治療の効果が期待できないと医師により判定された日のことです。
1級は780,100円×1.25が給付されます。もし子どもがいる場合は子どもの数によって加算があります。
2級は780,100円です。2級の場合も、子どもがいる場合その数によって加算があります。
※子どもが2人以内なら各224,500円。3人目以降は各74,800円の加算です。
20歳前傷病による障害基礎年金
初診日に基礎年金の被保険者ということは、20歳以前に障害を抱えた人は年金保険料を払っていないわけですから、障害年金はもらえないってことですね。20歳になる前に障害を抱えちゃった人はどうしたら…
そう思うよね。けど、そういう場合は福祉的な措置として障害年金はきちんと給付されるよ。
それが20歳前傷病による障害基礎年金です。
①初診日から1年6ヵ月以前に20歳になった場合は障害認定日において、②初診日から1年6ヵ月以後に20歳になった場合は20歳になった日において障害基礎年金が支給されます。
よかった!
ここら辺の詳しいことはきっと精神保健福祉士の方々が詳しいだろうから教えてもらうといいよ。そういう情報交換も心理カウンセラーに求められる一つの「連携」だよ。
遺族基礎年金
基礎年金に25年以上加入している人が死亡してしまった場合、その遺族に年金が支給されるものが遺族基礎年金です。
ここで言う「遺族」とは、死亡した者によって生計を維持されていた、①子のある配偶者と②子となります。
ここでいう「子」とは、基本的に「18歳になって最初の3月31日までの子」のことと思ってくだされば分かりやすいかなと思います。
この条件を満たす子どもがいる場合、その親(配偶者)・子に支給されます。
支給額は780,100円に子どもの数に応じて加算があります。加算額は障害基礎年金の時と同じです。
※子どもが2人以内なら各224,500円。3人目以降は各74,800円の加算。
寡婦年金
基礎年金には、独自の遺族年金給付もあります。その一つが寡婦年金です。寡婦とは俗にいう未亡人のことです。
条件は、
①、第1号被保険者である夫の保険料を納めた期間と免除期間をあわせた期間が10年以上あること。
②、その夫が65歳前に老齢基礎年金や障害基礎年金を受けずに亡くなったこと。
③、①の条件を満たす夫との婚姻期間が10年以上ある妻であること。
です。
この場合、その妻が60歳から65歳になるまでの間、寡婦年金が支給されます。
支給額は老齢基礎年金のおおよそ4分の3です。
死亡一時金
その他の基礎年金独自の遺族年金給付には、死亡一時金があります。
こちらの条件は、第1号被保険者として、3年以上保険料を納めている方が年金を受けないで亡くなったとき、その一定の遺族に支給される一時金です。
一定の遺族とは、死亡した人と生計を同じくしていた配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹で遺族基礎年金を受給できない人です。
そうか。遺族基礎年金基本的に18歳までの子どもへの年金だから、この条件を満たす子どもがいない遺族は受け取れない。だからそういう人たちのために寡婦年金や死亡一時金があるんですね。
そう理解していいと思うよ!
なお、一時金の額は保険料納付済み期間に応じて12万円から32万円の間で変わります。付加保険料を3年以上納めていた場合には、その額に8,500円が加算されます
寡婦年金と死亡一時金はいずれか一方しか受給できません。注意してください。