心理職でもできる資産形成と運用

心理職でもできる資産形成と運用

FP×心理Thによる資産にまつわるアレコレのお話

有給の年5回取得が義務化に!非常勤の方にも有給はあります。

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リヒト(@r2209)です。
突然だけど、「働き方改革」ってよく言われるけど、何かしらの実感ある?

 

うーん…。正直何も影響ない気がしますね。

 

そうだよね。でも、有給の取得は如実に僕たちの仕事にも関係してくるところだから、その話を少ししてみてもいいかな。

 

有給って、この仕事していると取りにくいんですよね。クライエントに迷惑がかかっちゃいそうで…。だから、今まで数えるくらいしか取ったことないです。

 

ほとんどの心理カウンセラーがそんな感じかもしれないね。けど、2019年から1年に5回以上は取らないといけないようになったんだよ。

 

え!?知りませんでした !

 

 

有給休暇取得の義務化

2019年の4月から、働き方改革関連法の施行に伴い有給休暇の取得が義務化されたのをご存知ですか?

 

働き改革関連法案が施行されたことで、労働基準法の一部が改正されました。

その結果、2019年4月から、使用者は有給休暇の付与基準日が10日以上ある労働者に対して、1年間に5日の有給休暇を取得させることが義務化されたのです。

 

「自分は非常勤だから、そもそも有給がない」

と勘違いしている人も多いのではないでしょうか?

 

この制度の対象となるのは常勤の労働者だけではありません。

非常勤の方も、対象となる可能性は充分にあります。

 

 

有給は何日ある?

自分が対象となるかどうかは、自分に10日以上の有給休暇が与えられているかどうかを調べることでわかります。

以下の表を見てもらうと、おおよそ判断がつくのではないでしょうか?

 

まずは常勤として勤務している人に関係のある表です。

常勤ではなくても、週30時間以上勤務している方もこちらの表が関係します。

 

このように、常勤として6ヵ月以上継続して勤務すると10日以上の有給休暇が付与されます

ただ、その6ヵ月の労働日のうち、8割以上を出勤しなければ、有給休暇は付与されませんので注意してください。

 

 

続いては、非常勤の方に関係する表を示します(週30時間未満の勤務)。

ともにhttps://www.mhlw.go.jp/content/000463186.pdfから引用

 

 

このように、非常勤で週に1回しか勤務していなかったとしても、6ヵ月以上勤務すればちゃんと有給休暇は付与されるのです。以外とこのことを知らなかったという方も多いかも知れません。

 

ひどいところだと、雇い主自身も非常勤職には有給がないと勘違いしている場合もあります。

しかし、有給休暇は労働基準法にしっかりと規定された労働者の権利です。

 

もし主張しても有給申請を受付けてくれなかった場合は、労働基準監督署に相談しましょう。

 

ただし、常勤と同じく、その勤務期間のうちの8割以上出勤していなければ付与はされませんのでその点はご注意ください。

 

以上より、非常勤の方にも有給があることがわかりました。

その中でも「義務化」に関係しているのは、6ヵ月以上勤務した常勤の方(週30時間以上勤務含む)と、週に3日以上勤務している一部の方(上記の表の太枠で囲まれて所に該当する方)となります。

 

 

有給には時効がある!

上記表を見て「自分にも有給があることを知れて良かったけど、義務化の話は自分には関係ない(10日以上の有給がない)」「だからこれ以降はもう読む必要がない」と思った方も、ちょっと待ってください。

有給休暇に時効があることをご存知でしょうか?

 

せっかくの有給も使わないと期限が切れてしまうのです。

 

上記表を見ていただければお分かりのように、入社から6ヶ月経過時、以降毎年発生しますが、発生から2年を経過すると、時効によりその権利は消滅してしまうのです。

 

具体例を挙げた方がわかりやすいでしょう。週に2日勤務している方で考えてみましょう。上記表を参照しつつ下記をお読みください。

 

例えば、令和元年4月1日に入社した方は、6ヶ月間の出勤率が8割以上であれば、6ヶ月経過日した、令和元年10月1日に3日間の有給休暇の権利が発生します。

 

ここまではOKですよね?

 

その後1年間1日も有給を消化することなく、令和2年10月1日を迎えた場合、更に追加で4日の有給休暇の権利が発生します。つまり、前年発生分と合わせて合計7日間保有しているということです。

 

おお!結構嬉しいですね!

 

その後の1年間も、1日も有給を消化することなかったとしましょう。

そうすると、令和3年10月1日に、4日間の有給休暇の権利が発生します。

 

しかし、先ほどお話ししたように、有給休暇の権利の時効は2年です。

ですから、令和3年10月1日に12日間の有給休暇の権利が発生すると同時に、2年前(令和元年分)の有給休暇の権利は時効により消滅してしまうのです!

 

つまり、4日+4日の8日分の有給しか使えない、ということです。

 

うーん、使っておけばよかったって後悔しそうですね…。

 

心理カウンセリングをしていると、クライエントに迷惑がかかるから、しょっちゅうしょっちゅう休むわけにはいかないので、難しいところだけどね…。

 

有給は他の仕事をしている方もやはり取りにくいようで、日本は世界と比べても圧倒的に有給取得率は低い水準です。

政府としては2020年までに、有給の取得率を70%にすることを目標にしているみたいです(現状は50%程度)。

 

 

1年間に5日の有給休暇を取得しなかったらどうなるのか

義務化した、ということはそれを守らなかったら違反することになるということです。

では、この義務に違反したらどんな罰則が科せられるのでしょうか?

 

結構厳しい罰則が科せられており、なんと30万円以下の罰金となります!

 

え!?大変じゃないですか!

 

とはいうものの、この罰則は労働者に対してではなく、使用者(雇用者)に対するものです。

労働者の方は特に罰則はありませんので安心して下さい。

 

ただ、使用者は労働者1名の違反につき罰金が加算されていくので大変です。

仮に、10名の労働者が違反をすれば、罰金の最大額は300万円となります。

 

 

まとめ

2019年4月から、使用者には労働者に年5回以上の有給休暇を取得させる義務が生まれました。

有給は、常勤の方だけではなく、週1回働きに行っている非常勤の方にも権利があります。

 

心理カウンセリングをしていると、クライエントという相手がある仕事ですから、なかなか有給が取りにくいかもしれません。

その日だけ他のカウンセラーにお願いする、ということも出来ない仕事ですから、なおさらでしょう。

 

学会や研修に参加するために休むといっても、多くの学会・研修は土日に実施されることが多いので、うまく使えないかもしれません。

 

しかし、平日に実施している学会や研修もあります。

今までは職場やクライエントに申し訳なく、そういった学会・研修に参加しづらかった方も、今回の義務化を根拠として参加へのハードルが少なからず下がったのではないでしょうか?

 

正直、有給休暇取得義務化は僕たち心理カウンセラーにとってありがたいような、ありがたくないような制度です。

しかし、もう決まってしまった制度ですので、なんとかうまく利用していきたいものですね。

 

ケーキの切れない非行少年たち

非行少年達が反省することが出来ればまだ良い方です。反省する以前の問題として、「どうして反省する必要があるのか」が分からない障害が見逃されていることもあるのです。 

 

著者はもともと精神科医をされていた方で、その後少年院で法務技官として勤務することになったという経歴の持ち主です。

ある施設で1人の発達障害を持つ一人の少年と出会い、そのことが彼の人生を変える大きな転機となったそうです。

 

この少年は、性的な問題があり、年齢問わず、誰かれ構わず身体を触るというこだわりを持っていました。当然、そんなことをしては大変なことになります。

そこで著者は認知行動療法によって、その性的問題の解決をはかったそうです。少年は真面目に取り組み、「もうしません」と反省の弁を述べたそうです。

その言葉に偽りはなく、著者も「大丈夫だ」と思えるような態度でした。

 

しかし、依然としてその少年は同じことを繰り返すのです。

 

そう。

認知行動療法は「認知機能という能力に問題がないこと」を前提に考えられた手法

P6

 のために、少年のように発達障害を抱えるなど、認知機能に問題があるような人にはハッキリとした効果がでないのです。

しかし、現場で困るのは、まさにそういう人達なのです。

 

けれど、認知行動療法がそうであるように、こういう本当に困っている人達に対する治療方がどこにもないのです。

 

そんなとき、著者が知ったのは三重にある矯正施設(医療少年院)でした。

ここでは非行を行った発達障害や知的障害を持つ少年達が集められていたのです。

 

著者は藁にすがる思いでそれまで勤務していた病院を辞め、その医療少年院に赴任する選択をしたそうです。

 

ものすごい決断と決意ですよね!

これだけのことができる人の言葉には、やはり重みがあります。

 

実際に少年院に勤務することで分かってきたことは以下のことであったと言います。

病院を受診する児童・青年は比較的恵まれた子ども達であることなども知りました。

P8 

 

このような経験から見えてきた

 

「非行少年達にはどんな特徴があるのか」

「どうすれば更正させることができるのか」

「どうしたら同じような少年を作らないですませられるのか」

 

に対する答えを、著者の少年院勤務の中で培った知見をもとに提案してくれているのが本書です。

 

 

本書タイトルにある「ケーキの切れない」というフレーズも衝撃ですが、本書には他にも衝撃的な描写があります。

例えば、Rey複雑図形の模写(その名の通り、複雑な図形を手元の紙に書き写す課題)をある非行少年にさせたところ、認知機能が正常であれば絶対にこうはならないだろうというくらい、いびつな模写をしたのです。

 

非行少年は、それだけ世界を歪に見ているのです。一般的な見方とは大きくかけ離れているのです。

 

同じように、非行少年には足し算引き算ができなかったり、漢字が読めなかったり、簡単な文章の復唱ができなかったりと、認知機能に明らかな問題を抱えている子どもが多いこともわかりました。

 

このことが非行の原因となっていると著者は直感したのです。

 

ここまで認知機能に支障があれば、反省すらできません。それをするだけの能力がまだないのです。

しかし、今までは

非行に対してひたすら「反省」を強いられてきた

P35

のです。

 

 

どうして教育機関で障害があることを発見できなかったのでしょうか?

それは、「良いところを伸ばそう」と、子ども達の不得意とすることを「それ以上させない」としてきたからです。

 

でも、「不得意」と「伸びる可能性はない」はイコールではありません。

そこを一緒くたにするから問題が先送りされてしまうのです。これは教育の敗北を意味します。

 

ですが、著者に主張によれば、たったの一日5分の工夫で、子ども達の認知機能を高めることができるのです。

ならば、それを取り入れない手はないでしょう。

 

著者の主張によれば、

特に自閉スペクトラム症ASD)をもった非行少年は独特のこだわりをもっている感触があります。そのこだわりがいい方向に向けば素晴らしい偉業を成し遂げることに繋がったりするのですが、例えば“人を殺してみること”という方向に向いたなら、それを消すことがなかなか難しいことがあります。

P43 

 ということですが、これほど恐ろしい傾向すらも改善できるようです。

 

ちなみに、著者の挙げる非行少年に共通する特徴は以下の6つだそうです。

①認知機能の弱さ

②感情統制の弱さ

③融通の利かなさ

④不適切な自己評価

⑤対人スキルの乏しさ

⑥身体的不器用さ

 

です。⑥は+アルファのもので、小さい頃からスポーツ等をしていたら当てはまらないこともあるそうです。

 

上記6つがどう非行に繋がるのかを詳述がありますが、どれも納得できる説明ばかりでした。

 

 例えば、①の認知機能には想像力も含まれるのですが、想像力が弱いと具体的な「こうすればこうなる」ということも考える事が難しいので、具体的な目標を立てることができません。ですから、行動が場当たり的なものになりがちです。

 

また、他の人が計画的に成果を上げた、いわゆる「努力の結晶」も理解できません。自分が計画的に努力した経験がないからです。

 

いずれも「確かにこういう傾向が強いと犯罪につながるかもな」という特徴ですよね。

 

 

こういった特徴を持つ子ども達には、社会面での支援が必要不可欠だと著者は考えているようです。

それにも係わらず、それが学校教育ではあまり重視されていません。あっても週1回の道徳の授業程度です。

ここが学べないと、多くの問題行動につながり、ひいては非行化していくのです。

ここの学びがないために教育は敗北している、というのが著者の主張です。教育の場でも社会面の支援が必要であろうと著者は考えているようです。

 

ただ、上記6つの特徴が犯罪に繋がりやすい要因になり得ることには「賛成」ですが、個人的には「学校教育の敗北」という考えには「反対」の立場です。

 

確かに社会面での教育は非行を予防する上で重要であることに異論はありません。

 

しかし、それは本当に学校で教えることでしょうか?

 

もちろん、学校でも学ぶ必要はあります。 

ですが、本来的な目的でいえば、学校は勉強を教わるところです。

社会面は、あるに越したことはないものの、それの育成は学校での主目的ではないのです。

 

著者は、問題行動を起こしている子どもへの支援策を考えて貰うワークを教育者にやらせると、「子どものいい所を見つけてあげて褒める」や「話を聞いてあげる」が出てくることや、「自尊感情が低い」という評価がいつも出てくることに違和感を持っているそうです。

いつもの「おきまりのパターン」だからです。

 

しかし、学校に何でもかんでも要求することも、おなじく「おきまりのパターン」ではないでしょうか?

 

もう学校の先生方はこれ以上ないくらい疲れきっていると思います。

何でもかんでも学校の求めるのは、そろそろ辞める必要があると僕は思います。

 

学校にこういったことがらを求めるのではなく、学校が負担にならないように、何らかのスクリーニング機能を持たせる方がよいのではないかと、僕は思うのです。

もちろん、そのスクリーニング機能を担うのは学校の先生ではありません。僕ら支援者の役割だと思います。

 

 

…とまあ、思うところはあるのですが、それを学校がするか、他の施設でするかはいったん置いとくとして、とにかく話しを本書の内容に戻しましょう。

 

著者は社会面を含む、学習面、身体面の3つの機能向上のためのトレーニングとして、新しい治療教育を紹介しています。

 

それが、コグトレです。

コグトレは、認知機能を構成する5つの要素(記憶、言語理解、注意、知覚、推論・判断)に対応する、「覚える」「数える」「写す」「見つける」「想像する」の5つのトレーニングからなっています。

P161

 というものです。

 

様々なものがあるようですが、一例は「感情のペットボトル」です。

感情のペットボトルは500mLのペットボトルを複数用意し、そのペットボトルに色々な感情、「くるしい」「かなしい」などを書き、水を入れます。

ただしちょっとした工夫があり、「うれしい」には水を入れません。また「いかり」だけは2ℓのペットボトルに水を入れます。

 

そして、リュックサックのような大きな袋にペットボトルを入れ、子ども達にそれを背負ってもらうのです。 

この作業は「気持ちを溜め込むとこんなにしんどい」ということを体験的・身体的に理解してもらう効果があります。

 

その後、1本ずつペットボトルを出していくと、しんどさが緩和します。気持ちを表現して吐き出すことの疑似体験です。特に「いかり」の感情がなくなったときの効果は抜群でしょう。なんせ2ℓ(2㎏)ですからね。

 

「いかり」(水が入った2ℓのペットボトル)の処理の仕方も学びます。相手に投げつけたら相手が怪我をするかもしれませんが、そっと渡せばそうなりません。

こうすることで、「いかりを表現してもいいけど、表現の仕方には気をつけよう」ということを学習できます。

 

 

このように、具体的なワークが複数あるのがコグトレの特徴です。

コグトレの内容を知っていると、検査所見をより役に立つものにすることが出来そうです。

 

本書で著者が述べているように、心理士が検査を取ってその所見を書いても「〇〇の傾向がある。××の能力を高める必要がある」というような記述の仕方がほとんどで、僕もそういう所見を複数見たことがあります。

しかし、「その××を高めるためには何をしたらいいか」は書いていないことがほとんどなのです。こういう所見はあまり意味がありません。

 

その点、コグトレは非常に具体的ですので、所見作成に参考になる方法が見つかることと思います。

検査を取る仕事をしている人は、是非コグトレについて学び、具体的な対処方法まで所見に書いてあげられるようになれると良いかと思います。

編集後記障害があるからと言って犯罪行為を働いてもいいということは絶対にありません。
しかし、障害があるということは支援を先に受けるべき存在だったということであり、障害があることに気づかれないまま、犯罪に手を染めるまでになってしまったという現実は、支援者の怠慢の現れであると思います。
僕自身を含め、これは全ての援助者が反省しなければならないことでしょう。

本書には、障害を持つ子ども達が将来犯罪を犯さないための予防策について書いてあります。しかも、一日5分でできてしまう非常に簡単なものです。検査所見を書くときにも具体的な支援策として記載することができるものも多くあります。

子どもに係わる領域や司法領域で勤務していたり、検査所見をまとめる仕事に就いている方にはお勧めの一冊です。

「幸せをお金で買う」5つの授業

お金はその多寡によって幸福を左右しません。お金をどう使うかに幸福は左右されるのです。 

 

タイトルが結構反感を買いそうですが。。。

ちゃんとした大学の先生が書いている本です。しかも、ブリティッシュコロンビア大学の心理学准教授(本書執筆当時)であるエリザベス・ダン氏によって書かれています。

 

心理学を研究している方がお金のことを書いてくれるのは、心理カウンセラーでありこうやってお金のブログを書いている僕としては、とても心強い味方を見つけたような感覚です。

 

 

一般に、給料が増えても、ある一定のところまで行くとそれ以降は幸福には影響しないということが知られています。

いわゆる、限界効用逓減の法則というやつです。年収が800万円を超える辺りから、年収の幸福に対する影響力はなくなっていくそうです。

 

そんな中、

 

「でもそれってホントなの?もっと別の、もっと賢いやり方でお金を使ったらどうなるの?」

 

という疑問からスタートし、研究結果をまとめたのが本書の位置づけです。

 

なんと、面白いことが研究の結果分かりました。

お金の使い方を変えると、その日全体の幸福感まで変わってしまうのです。

P013

 

ものを買うことから経験を買うことへ、自分のために使うことから他人のために使うことへ移行すると、幸福度に劇的なインパクトを与えることができるのです。

P015 

 と言うことが分かったのです。

 

多くの人はただ「稼ぐこと」や「自分の為に使うこと」を考えてしまいがちです。

欲しい物が欲しいだけ手に入ったら、確かにその時は幸福感に浸れるでしょう。

多くの人は、その幸福を目指しているのです。

 

しかし、このような幸福は極めて短期的なものなのです。

幸福が持続しないなら、次々に新しい幸福を手に入れようとしてしまうでしょうし、それって結局忙しいだけで全然幸福ではないですよね。

 

 

また、人はお金を稼ぐとどういうわけか孤独になろうとする傾向があることも分かったそうです。

でもこれって、自分で自分の首を絞めているようなものですよね?

 

一人の時間が大切なのは疑いがないことですが、それと孤独とは意味が異なります。

孤独で孤立する状態とは、独りぼっちだということです。人とのつながりがないということです。

しかし、人とのつながりは、長い目で見ると必ず資産になります。

その資産を自らなげうつのですから、自分で自分の首を絞めているようなものだと言うことなんです。

 ただお金を漫然と貯めるという行為をしていると、却って幸福から遠のいてしまうのです。

 

 

本書は、「ハッピーマネー方」として、幸福になるためのお金の使い方を5つのレクチャーにて解説してくれています。

 

1つ目のハッピーマネー方は「経験を買う」です。

このレクチャーでは家を購入しても全体的な幸福にはほとんど影響しないことが書かれています。

このブログでは、経済的資産の観点から賃貸vsマイホームを考え、賃貸に軍配を上げましたが、精神的な意味での勝負でもマイホームは「圧勝」という程でもないようです。

 

いよいよマイホーム購入に関しては真剣に考える必要がありそうですね…。

 

マイホームに限らず、物質的な物はそもそもそれほど幸福には寄与しないようです。

というのも

人間というのは順応性が高い生き物で、一度手に入れてしまうと、それが何であれすぐに飽きてしまう傾向があることが研究で示されています。

P027

ということだからです。

 

一方、旅行、コンサート、特別な食事という経験は物として手には入りませんが、幸福へ多大な寄与を及ぼしてくれます。

 

要は「レジャー」と呼ばれる活動にお金を使うことが、人々の幸福を高めてくれるのだそうです。

 

僕は普段、ほとんどお金を使いません。スマホなんて未だにiPhone5sで、買い換えようという気持ちも起きません。

今こうしてブログを書いているパソコンも、もらい物の旧式のMacです。

 

物にお金をかける気が元々あまりしないのです。

 

しかし、誰かと食事に行くときには、基本的に値段を気にせずに食べたい物を食べます。

映画が好きなので、結構頻繁に行きます。一人で行くこともしょっちゅうです。

 

それが楽しいから^^

 

 

タピオカミルクティを求めて行列を作っている女子高生達を見て「ようやるわ」と思うこともあります。

ですが、あれはタピオカミルクティそのものを求めてというよりも、友達とワイワイ同じ経験をする(わざわざ長時間ならんで同じ物を飲む。インスタにも写真をあげれる)ということにお金を払っているのだと考えると、非常によいお金の使い方だと思います。

500円程度でそれだけの経験を買えるのですから、素敵ですよね。

 

では、どんな経験を買うと最も幸福になれるのでしょうか?本書はその解答も用意してくれています。

・他の人々と交わることによって、社会的なつながりが生まれるような体験。

・この先何年にもわたって楽しい気持ちで繰り返し語ることができる思い出話につながる経験。

・あなたが感じている自分という人間、あるいはあなたがなりたいと思っている自分像に密接に結びつく経験。

・他の選択肢と簡単に比較することができないめったにないチャンスを与えてくれる経験。

P051ー052

 です。

こういった経験は、時間的な長さには関係がないとのことです。

ですから、一週間も旅行に行かなくても、日帰り旅行であっても十分に幸せになれるのです。

 

 

 

2つ目は「ご褒美にする」です。

いくら好きな物だからといっても、いつもいつもそれが手に入る状況にしておいてしまったら、いずれ慣れてしまいます。

慣れてしまうと、「好きな物を手に入れている」という喜びも同時に減退していきます。

そのため、好きな物こそ「ご褒美」にし、たまにしか得られない状況にしてしまうのです。

 

例えば、車好きな人は自分が買える範囲でのより高級な車を買おうとしがちです。なぜなら、高級車でドライブする方が、ずっと幸福感を感じられるからです。

 

しかし、どうしても人間はなれてしまう生き物。

高級車と言えど、毎日毎日同じ車でドライブしていても幸福感はどんどん得られなくなっていくのです。

 

ですので、本当に車が好きな人こそ、高級車をたまにレンタルして楽しむことが最も幸福なお金の使い方になるでしょう。

 

絶対そっちの方が安上がりですしね。

 

 

自分自身の生活を振り返っても、このことはよく理解できます。

 

僕の実家の近くには、そこそこ有名なお寺があり、観光客で賑わっています。

しかし、僕自身は…一度もそのお寺に行ったことがありません。

 

いつでも行けるところに、わざわざ入場料を払って行くだけの価値をどうしても見いだせないのです。

 

いつもいつも手に入るものは、幸福からは最も遠いものになるのですね。

 

希少性こそが価値を生み、それを手にするからこそ、幸せになれるのです。

滅多に手に入らないものは、滅多に手に入らないままにしておきましょう。

 

ちなみに。

カップルのマンネリへの対処法も書かれているので、興味のある方は本書を確認してみるといいかもしれませんよ。

 


 

3つ目は「時間を買う」です。

僕たちは隣町のスーパーの方がいつも行く近くのスーパーよりも安売りをしていると知ると、ついそちらまで足を運んでしまいます。

それが自転車で5分程度の距離ならまだよいのですが、時には自動車を使ってまで行くこともあります。

 

それによって、確かに安い商品は手に入るでしょう。

しかし、同時に失われているものがあります。

 

それは時間です。

 

僕たちは意外とこのことに気がつきません。

ですが、これはとても危険です。

 

隣町まで自動車で移動するのにかかったのと同じ時間を、他の自分がしたいことに使えれば、もしかしたらより幸福感を感じられたかもしれないのです。

車の移動に30分かかったとしたら、その30分で本を読んでリラックスしたり、たまった仕事が片付けられてストレス源をたつことが出来たかもしれません。

 

時間を使う「自分」という商品は、決してタダじゃないのです。

 

自分の時間単価を考える癖をつけると、

「近くのスーパーで買い物して余った時間をより有益なことに使うのと、隣町までわざわざ車で30分かけて少し安い食材を買うのと、どっちがお得だろう?」

ということが瞬時に分かるようになるかも知れません。

 

ルンバなどを利用するのも、掃除する時間を「買う」ことになり、結果的に幸福に繋がる安い買い物になるかもしれません。

 最初は「高いな」と思いますが、掃除する時間を他のことに当てられるのは何とも言えない快感がありますよ。

 

ところで、「時間を買う」というときに注意して欲しいことが二つあります。

一つが、それを単なる時短の為に使うと逆効果になる、と言う点です。

「あれもこれもしなければならない」から、あれとこれを短時間に済ませ、さらに「それ」を詰め込むために時間を買ってしまうと、時間の奴隷になってしまいます。

 

二つ目の注意は、「あえて時間がかかることをするのが好き」ならば、それを否定する必要がないということです。

自分で掃除するよりもルンバに任せた方が時間が空くのは事実ですが、掃除することが好きならその時間は大切な時間ですので、誰がどう言おうとルンバなんて買わない方が良いでしょう。

 

要は「時間を買う」目的が重要で、その目的が「自由な時間を作るため」であるときが一番価値のある買い物になるのです。

 

 

時間をお金と同価値の物と考えてしまうと、時間をお金を稼ぐ乗り物と見なしてしまいます。

ですが、自由な時間こそが幸福にとって重要であり、その時はお金のことは忘れるくらいがちょうどよいのです。

時間をもっとお金を稼ぐための乗り物であると見なすよろむしろ、もっと幸せな時間を過ごすこと自体を目的にすることを私たちは提案します。

P138

とのことですので。

 

 

 

本書よれば、何もお金をかけて時間を買うことだけが「時間を買う」というわけではなく、他人のために時間を使うことも「時間を買う」ということになるようです。

時間を人のために使うと、時間がたっぷりあるような気持ちになる

P115

とのことです。

 

口癖が「忙しい」の人は、他人のためにあえて時間と使ってみると、時間の感覚が変わってくるかもしれませんね。

 

また、通勤時間を短くするのも同じく「時間を買う」ということになります。

僕は以前通勤に片道2時間かけていましたが(色々事情があり…)、今はドアtoドアで30分程度のところに引っ越したので、非常に幸福度が上がりました。

 

 

 

4つ目は「先に支払って、あとで消費する」です。

これだけ聞くと何のことかよくわからないと思いますが、要は、未来に起こることにお金を使う、不確実性の高いものにお金を使う、ということです。

 

人は実際の楽しい出来事よりも、楽しそうな出来事を想像する方がより幸福感が高まるのです。

旅行に行くよりも、旅行の計画を立てている時の方が楽しい、みたいな心理ですね。

 

ですが、未来のことは誰にもわからないので、そこに賭けるのはちょっと勇気がいりますよね…。

誰だって、3ヶ月後にチョコレートがもらえるという状況と、今すぐもらえるという状況だったら、よっぽどのこと(ダイエット中とか、満腹状態とか)がない限り、今すぐ欲しいと思うことでしょう。

 

ただ、これは

「現在の威力」のせいで、人々は現在を過大に評価してしまい、先送りの潜在的恩恵を感じにくくなってしまうのです。

P158

 という理由からのことであり、本来は先送りをする方が幸福の恩恵を受けられるようです。

 

 

 

「先に支払って、あとで消費する」の正反対の行為を容易にしてしまうものがあります。

それが、クレジットカードです。電子決済なんかもそうかもしれません。

こういったものは、確かに消費行動を促進するでしょうから社会経済的には良いことなのでしょう。本書にも

クレジットカードは購入時の支払いの痛みをものすごく小さくするので、賢くて有能な人でさえ結果に対して無頓着になり、平気でお金を使ってしまうのです。

P164

とあります。

 

ただ、個人レベルのこととして考えると、「平気でお金を使ってしまう」のは危険ですよね。浪費ばかりしていては、本当にお金が必要な時に困ってしまいます。

そのため、今は僕は現金派で、ほとんどカードを使わないし、電子決済もしません。

使いすぎてしまうのが怖いからです。

 

しかし、ポイント還元などを考えると「うーん、電子決済もあり?か?」という感じになってきてはいますが。。。

 

とはいえ、現金派を貫くと「幸福」にはなれそうです。

 

どっちを取るか、今後よくよく考えていきたいと思います。時代は流れていますからね。

 

 

 

5つ目は「他人に投資する」です。

これはなかなか難しいですよね。頭で分かっていても実行に移すとなると躊躇してしまいそうです。

ただ、本書によると

お金の使い方のほうが、金額の大きさよりもはるかに重要でした。

P186

とのことであり、自分の余剰資金の中からできる範囲で行えば良いということみたいですから安心です。

 

とはいえ、この原則を知ったからといって「やらなきゃ」と思う必要はありません。

むしろ、義務感を感じるくらいならやらない方がマシなようです。

他人に投資するかどうかは、完全に自分自身の選択によって決める自由があります。その自由を犠牲にして「やらなきゃ」と思うと幸福が遠ざかっていってしまいます。

 

頑張った後輩がいたら「お疲れ」という素直な気持ちでいっぱいおごってあげるとか、そういう投資の仕方だとお互い幸福になれるかも知れませんね。

 

 

本書のまとめの章である「視野を広げよう」では、以上5つのハッピーマネー方を国レベルにまで押し上げ、国民を幸福にする政策案についてが記載されています。

「こんな国だったらいいなぁ」という政策ばかりです。

 

ただ、日本も実は国民を幸福にする政策を行っているようです。

その例が、超過累進課税制度です。

 

この制度、国内ではすこぶる評判が悪いですよね?

けれど、お金持ちからより多くの税金を取るという政策がある国と、そうではない国を比較すると、前者の方が国民の幸福度は高かったそうです。

 

まあ、税金の使われ方にもよるでしょうけどね。。

日本は今後、幸福な国になっていくのでしょうか?

 

編集後記本書でご紹介した5つのハッピーマネー方はいずれも説得力があり、納得できるものばかりだったかと思います。しかし、いざ実行に移すとなると…。僕自身も「他人に投資する」はなかなかハードルが高いように感じます。
しかし、まずはやってみること。これが大切です。早速先ほどコンビニに立ち寄った際、レジ横にある募金箱におつりを入れてきました。確かに今、少し幸せな気持ちになっています。

本書は、この記事でご紹介したハッピーマネー方以外にも、もっと具体的な例が示されています。
お金持ちですら必ずしもできていない贅沢なお金の使い方、知りたくはないですか? 

家を買う気がなくても財形住宅貯蓄がオススメ!その理由とは?

中äºéã®ãã家ã®æ­é¢å³

 

リヒト(@r2209)です。
もしかしたら、この制度がないところで勤めている方がほとんどかもしれないので、このお話をするか迷いましたが、一応お話したいと思います。

 

「この制度」ってなんですか?

 

それは財形貯蓄っていう制度だよ。

 

聞いたことすらなかったです(笑)

 

 

財形貯蓄って何?簡単に説明

厚労省の調査によると、財形貯蓄制度を導入している企業・組織は約40%とのことです。

僕たち心理カウンセラーが勤務するようなところ(病院等の施設)では、もっともっとこの数字は少なくなるのではないでしょうか?

ですから、財形貯蓄制度自体を知らなかったとしても無理はないかも知れません。

 

あんまり需要なさそうなお話ですね…。もしかしてリヒトさん、ネタ切れですか!?

 

えっと、えーあの…

 

ココロちゃんのことは一旦おいておりて、とにかく財形貯蓄についてお話しますね(汗)

 

財形貯蓄とは、勤務先が僕たちの給料からいくらかを天引きし、銀行の定期預金などへ自動で払い込んでくれる制度です。

企業が福利厚生の一環として導入しているようです。

 

ただ、あまり利用されていないのか、なくてもいい福利厚生としてトップクラスの位置にランクするようです。笑

 

 

財形貯蓄制度のメリット

この制度のメリットについて幾つか触れていきます。

先ず一つめは、「無理なく貯めていける」ということです。天引きなので手間がありません。

また、国が行う支援なので「税制優遇措置」もあります。

さらに、「元本保証」というのも魅力の一つとなっています。

 

 

財形貯蓄の種類

財形貯蓄には3つの種類があります。

一般財形貯蓄、財形住宅貯蓄、財形年金貯蓄です。

 

一般財形貯蓄は3年以上積見立てていき、使い方は自由に選択できます。

 

一方、財形住宅貯蓄財形年金貯蓄はその名の通り、前者は住宅購入やリフォームなど家に関する用途へ使うことが条件となっており、後者は満60歳以上の年金として払い出すことが条件となっています。

ともに、5年以上積み立てる必要もあります。

 

ここまでの説明を聞いて、ココロちゃんがもし財形貯蓄を利用するならどれを選ぶかな?

 

うーん、やっぱり一般財形貯蓄ですかね。他のは使い方が制限されてしまいますし、なんだか使い勝手が悪い気がします。

 

そう思うよね。多分、同じことを考える人が多いから財形貯蓄は福利厚生の中でも人気がないんだと思う。

 

ところで、リヒトさんだったらどれを利用しますか?

 

僕ならその勤め先の規約にもよるから一概にも言えないけど、基本的には財形住宅貯蓄かな?

 

え?リヒトさんが、家!?

 

 

財形住宅貯蓄がオススメな理由

ココロちゃんが驚くのも無理はありません。

僕は持ち家の購入に関しては懐疑的な立場をとっているからです。

このブログを前から読んでくださっている方々ならご存知かも知れませんね。

 

 

 

 

しかし、勘違いして欲しくないのは、僕が住宅の購入を目的にして財形住宅貯蓄を選んでいるわけではない、ということです!

 

え?どういうことですか?

 

先ほど、財形住宅貯蓄は「住宅購入やリフォームなど家に関する用途へ使うことが条件」とお話しましたが、これは実は正確ではありません。

正確には、「住宅購入やリフォームなど家に関する用途へ使うことが、利子に対する非課税優遇をうけるための条件」なのです。

ここを誤解している人が多いので、しっかりと把握しておいてくださいね!(先ほど誤解させる書き方をしておいてなんですが。。。苦笑)

 

財形住宅貯蓄は、「住宅購入やリフォームなど家に関する用途へ使う」ということを前提で積み立てた場合、550万円までの元利が非課税になるのです。

 

えっと、待ってください。ということは、家に関係ないことで使ったらその非課税分はどうなるんですか?

 

条件に合致しないのだから、当然課税されるよ。

 

え、だったらなんでリヒトさんは家を買わないのに財形住宅貯蓄を利用するんですか?

 

ここもカラクリがあるからです。

家に関係しないことに積み立てたお金を使った場合、550万円までの元利が非課税になるという制度が利用できなくなるのは本当です。

しかし、この制度が利用できなくなる期間は、実は、目的外払い出しをした日からさかのぼって5年間だけであり、それ以前に積み立てていた分の利益に関しては非課税のままなのです!

 

要は、5年以上積み立てておけば、家以外の目的で積み立てていてもこの制度の恩恵を受けれるってこと。そもそも5年以上積み立てないと払い出しできない制度だしね(目的払い出しの場合では5年未満でも可)。

 

 

財形住宅貯蓄がオススメな理由(こっちが本質)

とはいえ、これだけが財形住宅貯蓄をオススメする理由ではありません。

 

非課税になるといっても、今の金利はとても低いのです。

500万円預けたとしても、わずかにしか増えないでしょう。そんなわずかなお金に対する利子への税金が非課税になったところで、たかが知れています。

 

では、どうして財形住宅貯蓄をオススメするのでしょうか。

それは、勤務先によっても異なりますが、積立金の1〜5%程度の奨励金が貰えるからです。

明かに積み立てたお金にかかる金利よりも、奨励金のパーセンテージの方が大きいのです。

 

財形住宅貯蓄の場合、この奨励金の額が比較的高めに設定されていることが多いです。

どうしてかというと、「住宅手当」や「借上げ社宅」を利用されることと従業員が持ち家を買ってくれることを比較すると、後者の方が企業に取っては安上がりになるからです。

ですから、はやく家を買わせようと奨励金という美味しいオプションを用意してくれているのです。

 

なので、もし財形貯蓄制度が利用できるなら、財形住宅貯蓄で積み立てていくことが一番賢い選択だ、ということになるのです。

 

ちなみに、この記事の真ん中の辺りで言ったように、本当に得をするかは勤め先の規約にもよります。場合によっては目的外払い出しをすると奨励金もなしになることもあります。事前にしっかりとチェックしてください。

 

もちろん、普通に家に関することで利用することも出来ます。

もしリフォームなどを考えているのなら、財形住宅貯蓄とともに、こちらを利用されるのもよいでしょう。

公認心理師もストレスチェック実施者になれるように!ストレスチェックについての基礎をおさえよう!

 

リヒト(@r2209)です。今日はストレスチェックについて。意外と心理カウンセラーの方も知らないことも多いのではないかと思うので、簡単にお話しておければと思います。

 

厚労省の資料を見たことがあるんですが、なんだかごちゃごちゃしててよくわかりませんでした…https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei12/pdf/150422-1.pdf

 

そういう人のために、僕たち心理カウンセラーに直接関係ある部分だけをまとめてお話しますね!

 

 

ストレスチェックとは

ストレスチェックの実施は、2015年12月施行の改正労働安全衛生法で定められました。

労働者のストレスの程度を定期的に把握する制度で、50人以上の従業員がいる事業場(本社、支社、営業所など)では、1年に1回の実施が義務付けられています。

 

50人未満の事業場については、努力義務となっていますが、できるだけ実施することが望ましいとされています。

 

この制度の目的は、労働者が自身のストレスの状況に気付くことや、事業者が職場改善をして働きやすい職場をつくることで、メンタルヘルス不調を未然に防ぐことを目指しています。

 

ストレスチェックは誰にでもできるものではなく、

ストレスチェックの「実施者」でなければ実施できません

 

「ストレス」というと心理的な問題であり、僕たち臨床心理士に最も関係が深いテーマですので、臨床心理士も実施者になれそうな気がしますよね?

 

しかし、残念ながら臨床心理士ストレスチェックの実施者になる資格がありません

 

 

ストレスチェック実施者

ではどういう人がなれるのでしょうか?

2018年7月までは、産業保健や精神保健に関する知識を持つ医師、保健師、必要な研修を修了した看護師や精神保健福祉士でした。

 

俗にいう、心理カウンセラーと呼ばれる人は実施者になれなかったのです。

 

しかし、2018年7月11日の労働政策審議会安全衛生分科会の答申を受けて、

必要な研修を修了した歯科医師公認心理師が加えられました

 

公認心理師が加わることで、ようやく心理カウンセラーもストレスチェック実施者になれるようになった、ということですね。

 

 

ストレスチェック実施者研修とは

公認心理師も「必要な研修」を受ければ、ストレスチェック実施者となれます。

 

では、「必要な研修」とはどのような研修でしょうか?

それは、ストレスチェック実施者研修と呼ばれる研修で、厚生労働省が認定した機関だけが行うことができる研修です。

研修を受けてみたい、という方は以下のサイトをご覧ください。東京などは毎月行われているようです。費用は15,000円程度かかります。

 

kokoro.mhlw.go.jp

 

研修内容は主に「労働者の健康管理」、「事業場におけるメンタルヘルス対策」、「事業場における労働者の健康の保持増進を図るための労働者個人及び労働者の集団に対する支援の方法」の3つです。

 

  

ストレスチェック実施者としての役割

公認心理師ストレスチェック実施者として果たせる役割は大きく3つ挙げられます。

 

1.調査票に対しての意見

まず、事業者がストレスチェックの調査票を決めるに当たり、事業者に対して専門的な見地から意見を述べることができます。

 

ストレスチェックに用いる調査票には、実は決まったものはなく、事業者が任意に決めることが出来ます。

 

ただ、最低限必要な要件として下記の3領域を含むことが労働安全衛生規則によって規定されています。

 

職場における当該労働者の心理的な負担の原因に関する項目

当該労働者の心理的な負担による心身の自覚症状に関する項目

職場における他の労働者による当該労働者への支援に関する項目

 

上記が含まれる物であれば、何でも構いません。

とはいえ、厚生労働省としてはストレスチェックの項目として上記の3領域を含んだ「職業性ストレス簡易調査票(57項目)」を用意しており、こちらを使用したストレスチェックの実施を推奨してはいます。

 

こちらのリンクから確認してみてください。

https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei12/dl/stress-check_j.pdf

割と簡素なものなので、すぐに終えることが出来るかと思います。

 

2.高ストレス者の選任

次に、実施した調査票の結果をもとに、高ストレス者の選任を行います。

 

実施者は、上記した

 

②「心理的な負担による心身の自覚症状に関する項目」の評価点数の合計が高い者か、

 

①「心理的な負担による心身の自覚症状に関する項目」の評価点数の合計が一定以上の者であって、かつ、①「職場における当該労働者の心理的な負担の原因に関する項目」及び③「職場における他の労働者による当該労働者への支援に関する項目」の 評価点数の合計が著しく高い者

 

高ストレス者として選定できます。

 

3.面接の必要性の判断

3つ目には、ストレスの程度の評価結果に基づき、医師による面接指導を受けさせる必要があるかどうか判断することが求められます。

 

高ストレス者として選任され、医師による面接指導の必要性を指摘された労働者は、事業者に対して医師の面接指導を受けることを希望することができます。

 

しかし、必ずしも高ストレス者全員が医師による面接指導を希望するとは限りません。

その場合、ストレスチェック実施者は、必要に応じて、相談、専門機関の紹介などの支援をすることが望ましいとされています。

 

  

実施者としての公認心理師の需要

先ほどもお話ししたように、労働安全衛生法が改正されたことで、公認心理師も必要な研修を受けさえすればストレスチェックの実施者となることができるようになりました。

 

公認心理師公認心理師法によって、 

(1)心理に関する支援を要する者の心理状態の観察、その結果の分析

(2)心理に関する支援を要する者に対する、その心理に関する相談及び助言、指導その他の援助

(3)心理に関する支援を要する者の関係者に対する相談及び助言、指導その他の援助

(4)心の健康に関する知識の普及を図るための教育及び情報の提供

 

の4つの行為を行うことを業とする者と言われており、ストレスチェックの実施はまさに上記を満たすものとなっています。

 

従って、ストレスチェック実施者として公認心理師の資格を持っていることへの需要は、今後ますます高くなっていくことが予想されます。

 

 

まとめ

2015年の労働安全衛生法改正で、ストレスチェック制度が50人以上の従業員がいる事業場において義務化されました。

そのストレスチェックを実施するには、実施者になる必要がありましたが、当時は臨床心理士は実施者になれませんでした。

 

要は、心理カウンセラーは実施者になれなかったのです。

 

ところが、2018年7月から、必要な研修を受ければ公認心理師ならば実施者となることが出来るようになりました。

 

ストレスチェック公認心理師の職責ともマッチしており、今後需要が高まってくることが予想されます。

 

 

ストレスチェック実施者となっていれば、産業領域への転職を考える場合、有利になる可能性は高いです。

興味のある方は研修を受けることをお勧めします。