開業する前にこれだけ見ればOK!開業したら必要な手続きまとめ
資産を「稼ぐ」の特別編として、数回にわたって開業の届出から初めての確定申告までの間に必要な手続きや経理、税務手続きについて分かりやすく解説していきたいと思います。
今はまだ開業をしていない方でも、将来の選択肢の候補にいれる為に是非ご覧下さい。
どうして開業のことを考える必要があるの?
ある程度の臨床歴が積まれてくると、開業して自分で稼いでいきたいと思うかたも多くいらっしゃるのではないでしょうか?
今の時代、個人で食べていく術を身につけていくというのは、非常に大切なこととなってきています。
今までは、情報発信の機会があまり多くなく、また、大々的に発信しようと思ったらある程度の資金が必要でした。
ですから、僕たちは今まで組織の大きな力を借りるしかありませんでしたし、それが最も合理的な選択でした。
しかし、今は違います。
ブログ、Twitter、インスタグラム、youtubeなど、どんどんネットやSNSが発達しています。
しかも、これらは全て無料で使うことができます。組織の力を借りなくても、情報発信を自由に行える世の中になってきているのです。
社会はどんどんB to Cの社会から、C to Cの社会へ変革を遂げているわけです。
同時に、人が行っている仕事の大半がコンピューターで代替出来る様になる時代がすぐそこまで迫ってきています。
例えば、タクシー運転手という仕事は大変素晴らしい仕事ですが、おそらく近い将来なくなる仕事でしょう。
そんな中にあって、僕たちが行っている「カウンセリング」という仕事は、おそらくコンピューターで代替は不可能な仕事です。つまり、ますます価値の高まる仕事である、ということです。
以上の現状を鑑みると、「開業」する、あるいは、今すぐそれをしないまでも「開業の準備をしておく」ということはこの時代を生き抜く上で、不可欠なこととなってきたと言っても過言ではありません。
今は、「個人で食べていく」ことを考えることが、合理的な時代となってきたのです。
開業したらまずすべきことは?
「そうか、そういうことなら自分で事業を立ち上げないとな!それならば開業だ!賃貸アパートの契約したぞ!開業できた!」
めでたしめでたし。
と言いたいところですが、ことはそう単純ではありません。
個人で食べていく、といっても自分勝手にやるわけにはいかず、きちんと手続きを踏む必要があります。
開業をしたとしても、それが事業であると認められないといけないのです。
認めてもらうって、誰にですか?
それは税務署です。開業をしたら税務署に行って各種手続きを行う必要があります。
では、どのような手続きをしたら、開業をしたことを事業として認めてもらえるようになるのでしょうか?
色々とやらなければならないことや、細々したことがありますので、その一つ一つを分かりやすくお伝えしていきますね。
開業届出書を提出する!
開業を思い立ったら、まずしなければならないことは、税務署に開業(・廃業等)届出書を提出することです。
この個人事業の開業(・廃業等)届出書は、事業を開始した時から1ヶ月以内の提出が義務となっていますので、絶対にお忘れなきよう!
用紙自体は、国税庁のホームページからもダウンロードできます。
事業として認められたら、そこで得た収入は事業所得となります。
事業所得は青色申告が利用できるのでしたね。
青色申告は普通の確定申告(白色申告といいます)にはないお得がたくさんありますので、事業所得を得ていて青色申告をしない手はないです!
上記した記事にもありますが、青色申告をするためには、所得税の青色申告承認申請書を、承認を受けようとする年の3月15日までか、もしくは開業後2ヶ月以内に提出する必要があります。こちらもお忘れなく!
もし、生計を一にする家族が仕事の手伝いをしてくれ、給料を払うことがあるのなら、ついでに青色事業者専従者給与に関する届出書も一緒に提出しましょう。
これを提出しておくと、その家族に支払った給料が経費として認められます。
経費にできるということは、節税になるということですね!
ただし、この制度を利用すると配偶者控除(38万円が控除される)などが受けられなくなるので注意しましょう!
All aboutさんに参考になるものがあったので、添付しておきます。
申請した年の12月31日までに税務署から何も連絡がなければ、青色で申告する旨が承認されたと思ってOKです。
ちなみに、以上の手続きを経ない状態で収入を得た場合、その収入は「雑所得」として扱われます。
雑所得は青色申告ができませんし、経費もありません。もったいない事になる可能性が非常に高いですから、是非上記届出を出してくださいね!
ただ、雑所得は年間に20万円を超えない場合、所得税の確定申告をする必要がありません。
ですから、開業を副業的に始めたばかりで20万円を超えそうにない場合等の時は、まだ上記の手続きを踏む必要はないかもしれません。
もし従業員を雇ったら
心理カウンセラーとしての仕事は一人仕事である事が多いので、従業員を雇う人はそう多くないかもしれません。
しかし、事業が大きくなるにつれクライエントの数が多くなるとその限りではないでしょう。他に心理カウンセラーを雇ったり、受付を置いたりといったことも出てくるかもしれません。
もし、上記のような理由で一人でも従業員を雇うことになったら、給与支払事務所等の開設届出書を1ヶ月以内に提出しましょう。
どうしてこの書類の提出が必要かというと、従業員を一人でも雇ったら、雇った人は従業員の給料やボーナスに対する源泉徴収義務者となるからです。
源泉徴収ってよく聞きますけどなんですか?
源泉徴収というのは、所得にかかる税金(所得税など)を天引きすることだよ。
事業主はこの作業を行い、源泉徴収した税金を翌月10日までに納税する必要があるのです。
め、めんどくさい…
そんな人のための特例もあります。
従業員が10人未満の場合、源泉徴収した税金を納税する期限を半年に1回にする事ができます。
ただ、そのためには、源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書を提出する必要があります。
やっぱりめんどくさい…。
確かに、何かをする度に書類を提出しなきゃいけないのは面倒くさいですよね。とはいえ、これを提出すれば、1〜6月分の納期限は7月10日に、7〜12月分は翌年の1月20が納期限となります。
最初だけ頑張れば後が楽だよ!
注意して欲しいのは、この特例が適応されるのは提出した月の翌月分から、ということです。
つまり、4月に提出した場合、4月の源泉は5月10日に納税しなければならなくて、5月の源泉から7月10までの納税でよくなるということですね。
※今は所得に関する部分だけをお話ししました。
しかし、従業員を雇う場合、他の事も考え得なければなりません。他の事とは、労働保険や年金のことです。
一人でも従業員を雇えばその人の労災保険料を払う必要がありますので、10日以内に保険関係成立届を労働基準監督署に出す必要があります。
また、その従業員の数が5人を超えるようになれば、年金事務所に新規適用届を出す必要もあります。
10人以上になれば就業規則を作成して労働基準監督署長に提出しなければなりません。
従業員を雇うと色々とやる事があって大変ですね。。。
こちらのサイトが分かりやすかったので、添付しておきます。
消費税についての届出書もあるにはあるが…
消費税とは、商品の販売や役務(サービス)の提供等に課せられる税金です。
心理カウンセラーの行う仕事はサービスですので、消費者(クライエント)から消費税を受け取ります。
この消費税は当然「税」なので、国に納めるものです。
消費税というのは、間接税といって、税金を納める義務がある者(納税者)と、税金を負担する者(担税者)が異なる税なのです。
心理カウンセリングに関する消費税で言えば、納税者はカウンセラーで、担税者はクライエントと言うことになります。
ということは、当然個人事業主の心理カウンセラーも消費税を納める必要があります。そのため、消費税課税事業者届出書を提出する必要があります
しかし、この提出は売り上げが1,000万円を超えた年の翌々年から必要となるものです。
当面は考えなくて良いものなのかな…。一応「1,000万超えたらそういう書類も必要なんだ」くらいのことを頭の片隅に入れておいてくれればいいよ。
以前、インボイス制度の話をしたときの記事が参考になると思いますので、こちらもよかったらご覧下さい。
開業してから当面の間に必要になる手続きはざっとこんなものが考えられます。
次からは経理の基本的なことがらについておさえていきます!
おまけ 書籍紹介
上記の届出等の情報はありませんが、集客などの情報についてコンパクトにまとめた書籍がありますのでご紹介します。