池上彰が結婚 お金 仕事についての疑問に答えます!
理想の男子と出会える確率は0.00006%という衝撃。
本書は「池上彰と女子会」というテレビ番組を再編して作られたものらしいです。
女性の多くは結婚、お金、仕事にまつわる疑問をよく抱いていたらしく、それらのテーマに対して池上彰氏が回答していくという造りになっています。
特に多かった疑問は「結婚」に関する物だったそうで、その中でも多かったのは男性のスペックについてでした。
僕も男性なので、恐る恐る本書のページを捲っていくと、いきなり衝撃の質問が目に飛び込みます。
Q1
イケメン貧乏とブサイク金持ち、結婚するならどっちが幸せなのですか?
P10
もうね、あれですよ。
端からブサイク貧乏は選択肢に入っていないんですね。世知辛い世の中です。
それはそうと、皆さんだったら、どちらの方が幸せになれると思いますか?
もちろん、人によって考え方は異なるでしょうから一概には言えないでしょうが、統計を取ると面白いことが分かります。
本書によれば、25歳未満の59%の方はイケメン貧乏を選びますが、25歳以上になるとブサイク金持ちを選ぶパーセンテージが72%にぐっと向上するのです。
人生経験を積むと、より現実的な視点になっていくのでしょうか。
ただ、池上彰氏によれば、いくらお金があったとしても家庭が幸せになるとは限らないとのことです。
それは、人間には限界効用逓減の法則があるからです。
この限界効用逓減の法則は、経済学の用語ですね。経済学では基本中の基本の概念です。
経済学では「限界」は「増加分」を意味するそうで、「消費量を増やせばそれに伴って右肩上がりに満足度が向上するわけではない」というのがこの理論の意味するところです。
例えば、喉がカラッカラの時に飲む水はとても美味しく満足度は高いですが、3杯目、4杯目になってくると流石にお腹も苦しくなり満足度は減っていきますよね。
これが限界効用逓減の法則です。
このことは、年収にも同じことが言えます。
ある程度まで年収が上がることは人に満足ももたらしますが、一定額まで行くとそこまで満足度を高めてくれる要因にはなり得なくなるのです。
だいたいピークになる年収は400万円から600万円未満だと言われています(人によっては800万円がピークだと言う人もいます。本書では400万円からとしているようです)。
他にも、年収が高い人ほど残業をしているでしょう。これも、満足度が上がらない理由の1つとなっています。
というのも、人が満足や幸せを感じるのは「夫婦の時間・会話」だからです。残業が増えれば、それに反比例して夫婦の時間・会話が当然減ってしまうのです。
面白いのは、夫婦の会話で得られる妻の幸福度をお金に換算していることです。
平均16分が夫婦の会話量らしいですが、これをお金に換算するといくらになると思いますか?
なんと、120万円に相当するらしいです!
つまり年収400万円の妻でも、平均16分の会話で、年収520万円の幸福感が得られるということになりますよね。
P22
男性は、すぐに稼げるようになるわけではありませんので、夫婦との会話をまずはしっかりと意識するべきでしょう。
女性は、年収やルックスだけではなく、しっかりと大切に思ってくれる人を選ぶことが大切になるのかもしれません。
男性は、しっかりとパートナーを大切にすることで、自分の年収以上の幸福を与える事ができるのです。
以前こちらの記事でも、夫婦の会話の大切さを考えましたが、やはりコミュニケーションが幸福への第一歩であり、ゴールなのでしょう。
※注意:本書は女性向けに書かれた本で、女性から見た男性像を語っています。しかし実際は女性が稼いでもいいし、コミュニケーションを積極的にはかっても良いでしょう。男性も、女性の外見の美しさだけではなく、しっかりとコミュニケーションをとってくれる点を重視して女性を選んでもよいでしょう。
続く質問は次のようなものです。
Q2
結婚って、特なのですが?損なのですか?
P26
結婚を損得で考えることには是非があるかと思いますが、少なくとも 女性が結婚を「損」と考えてしまう要因は男性にあるということです。
日本の男性は、例え共働きであったとしても、ほとんど家事に参加しないのです。
共働きになっても、「妻に家事を任せたい」と思っている男性が64%もいたのです。
P32
とのことですから、そりゃ女性も納得がいかないのも当然ですよね。
男性だって、しっかりと家事くらいしなきゃいけません。
三つ目の質問はこちらです。
Q3
どうしたらいい人に出会えますか?
P42
やはり、どうせ出会うなら自分の理想とする人と出会いたいですよね。
しかし、池上彰氏によれば、
はっきり言いましょう。その理想の相手には出会えません!(中略)普通に生活している中で理想の男子と出会える確率は0.00006%であるというデータが出ています。
P44
選挙期間になると「池上無双」などと言われる政治家への厳しい意見が聞かれますが、結婚の問題にも池上無双です。
ともかく、このデータ、かなりの衝撃ですよね。
167万人に1人という確率らしく、横浜市の全男性の数とほぼ一致するそうです。
自分から積極的に異性を探さないと、いつまで経っても独りぼっちの可能性はとても高いようです…。
他にも結婚(恋愛)にまつわる面白い疑問とその回答がありますので、気になる方はチェックしてみてください。
第2章は「お金」にまつわる疑問と回答です。
第2章での最初の疑問はこちらです。
Q1
どのくらい貯金をしておけば、将来は安心ですか?
P88
老後2000万円不足するというニュースは衝撃をもって伝えられましたので、まだ記憶に新しいですよね。
それを踏まえ、いくらあれば安心だと言えるのでしょうか?
これも、ある意味衝撃の答えが池上彰氏からは繰り出されます。
日本人はもっとお金を使うべきです。ハッキリ言って「貯めすぎ!」です。
P91
とのこと。
1人ひとりが自分のことだけを考えてお金を使わずに貯め続けると、経済が不活発になり、給料が上がらず、却って貧乏になるから、というのがその理由です。
まあ、言っていることはわかるのですが。。。という感じですよね。
個人的な考えとしては、目安として年収の3年分くらい貯めたら、後のお金は「皆のため」「企業を応援するため」と思ってどんどん使うくらいに考えるのが良いのかなと思っています。
第3章は「仕事」についての疑問と回答です。
Q1
結局、美人には勝てないのですか?
P126
がこの章の最初の疑問となっています。
結論は。。。
美人には勝てません。(中略)「美人はそうでない人よりも生涯約3000万円トクをする」という調査結果があるのです。
P127
だそうです。女性は大変ですね…。
ただ、日本においては「女性活躍推進法」が制定されたこともあり、企業の管理職に占める女子の割合を引き上げています。
そのため、「人事採用に係わるのが全員男性」ということもなくなってきていますので、能力主義の世の中となってきています。
その点、韓国なんかは女性はほぼほぼ顔でしか評価されないらしいですから、うーん、なんともですね。皆整形するわけです。
このような形で、本書はすべての質問に池上彰氏が数字を元に回答をしてくれているのでとても参考になります。
しかし、全くそんなことはありません。むしろ、男性も読むべき本です。現在女性の不安や悩みの中には、男性に起因することも多くあるからです。
家庭を楽させようと、仕事に邁進する傾向が男性にはありますが、それが却って家庭での会話時間を減らし、女性の満足感下げてしまっている等は、その典型です。
このブログで、「経済的資産」だけの形成を考えていないのは、そのあたりのことを意識してです。
様々な面で男性は女性を求めますし、女性は男性を求めます。これは何も性的な側面だけに言及しているのではなく、社会生活を送る上で男女のパートナーシップが不可欠であることを言及しています。
結婚、お金、仕事に不安がある女性だけではなく、是非男性にも手にとってもらいたい本でした。