心理職でもできる資産形成と運用

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FP×心理Thによる資産にまつわるアレコレのお話

青色申告に必要な2種類の決算書 損益計算書と貸借対照表について

「青色決算申告書を記入する」の写真 

リヒト(@r2209)です。
さていよいよ決算書について学んでいきましょう!今までの学びはこのためにあったと言っても過言ではありません!

 

 

決算書

決算によってまとめられた計算書類が決算書です。

 

決算って、事業として得た収益やかかったお金をまとめてその損益を計算する手続きのことでしたよね。

 

 

青色申告を受ける為には、2種類の決算書が必要です。それが、損益計算書貸借対照表です。

以前、この二つについては簡単に説明したのですが、覚えていらっしゃいますでしょうか?

もし「なんだっけ?」と思われたら、こちらをご覧くださいね。

 

 

なお、青色申告をする場合に必要になる決算書は国税庁のホームページからからも見ることができます(一般用)。

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/yoshiki/01/shinkokusho/pdf/h28/10.pdf

 

1枚目が損益計算書で、4枚目が貸借対照表です。

 

 

損益計算書

過去の記事で、

「売上金額−仕入金額−経費=利益というのが簿記の基本で、売上金額のことを収益仕入金額+経費のことを費用ともいう、と覚えておくと決算書を作成する時に便利だ」

 

とお話ししたのを覚えていますか?

 

 

損益計算書とは、収益費用を一覧表にまとめたもののことを言います。

要は、「いくら儲かっているのか?」を示すものです。

図に表すとこのようになるのでしたよね。

       
  損益計算表  
(借方) 費用 収益 (貸方)
   
   
   
   
   
   
  利益  
   
   
   
       

 

貸借対照表

こちらは12月31日時点でどれくらい資産や負債があるかを示した一覧表です。

俗にいう、バランスシートのことです。もしかしたら、こちらの名前で覚えている人もいるのではないでしょうか?

 

貸借対照表では、資産と負債の量から、どれくらい純資産(資本)があるかを判断します。

つまり、資産−負債=純資産(資本)です。

 

資産は、現金、預金、売掛金(まだ受け取っていない売り上げ)、備品などが含まれます。

一方、負債は借り入れや買掛金(まだ支払っていない仕入金)などが含まれます。

 

図で表すとこちらはこんな感じになるのでしたよね。

       
  貸借対照表(バランスシート)  
(借方) 資産 負債 (貸方)
   
   
   
   
   
  純資産  
   
   
   
   
   
       

 

資産と負債+純資産(資本)の合計額は必ずイコールになるはずです。

 

 

こういった損益計算書貸借対照表の大部分は、会計ソフトを使って帳簿をつけていれば自動で作成してくれます。

僕のオススメはこちら!

無料で使える「やよいの青色申告 オンライン」などの会計ソフトを使うと便利です。

 

ここまでが簿記で目指していた事柄です。お疲れ様でした!

 

ただ、青色申告にはもう一つの資料作成が必要です。

それが次に説明する確定申告書です。こちらはいくら税金を納めたら良いかを確定するための書類となってきます。

 

 

確定申告書(B)

毎年1月1日から12月31日までに生じた所得について、翌2月16日から3月15日までの間に税務署に所得税の申告を行う必要があります。

 

この時に必要になるのが確定申告書です。

 

いくつか種類がありますが、個人事業主は申告書Bを選択します。

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/yoshiki/01/shinkokusho/pdf/h29/shinkokusyo_b.pdf

 

以前このブログでも勉強した所得控除はこの時に利用することになります。

しっかりと復習しましょう!

 

 

 

上記記事で紹介しなかった控除を含め、どんな控除があるか表にまとめてみましたので確認して下さい。

           
控除の種類 内容
雑損控除 災害や盗難によって資産に損害を受けた時
医療費控除 10万円以上の医療費がかかった場合(上限200万円)
社会保険料控除 社会保険料
小規模企業共済等掛金控除 小規模企業共済や確定拠出年金の掛金分
生命保険料控除 生命保険料などの保険料分
地震保険料控除 地震保険料分(最大5万円)
寄付金控除 ふるさと納税などによる寄付金から2,000円を引いた分
寡夫(婦)控除 寡夫(婦)である場合、27万円(条件あり)
勤労学生控除 勤労学生である場合、27万円(条件あり)
障害者控除 本人、配偶者、扶養親族が障害者の場合27万円(条件あり)
配偶者控除 配偶者がいる場合、38万円(条件あり)
配偶者特別控除 配偶者がいる場合、38万円(条件あり)
扶養控除 扶養親族がいる場合、38万円(条件あり)
基礎控除 誰もが無条件で受けれる38万円の控除。令和2年以降は48万円。
           

 

詳しい条件等は、国税庁のホームページを確認してください。

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/shoto320.htm

 

実際の書き方はfreeeさんのサイトが分かりやすかったのでリンクを貼っておきます。

www.freee.co.jp

 

 

所得税の闇

少し余談ですが、確定申告に関することとして、所得税の話をしてこの記事を締めくくりたいと思います…。

 

所得税がどうやって決まるのか、少し復習しましょう。覚えていますか?

所得金額から所得控除を差し引いた額が課税所得金額で、この額に税率を適用して所得税額が決まるのでしたね。

 

例えば、所得金額が100万円あり、30万円何らかの形で控除したとしたら、70万円に一定の税率をかけることで所得税が決まるのです。

もし、税率が20%だとしたら、70万×0.2で、所得税は14万円だと言うことになります。

 

所得税超過累進課税により、所得が多いほど所得税も高くなる制度が採用されています。

その税率は下記の速算表を見ていただけると確認できます。

f:id:r2209:20190914164136j:image

この表を見ていただければ、所得が多くなればなるほど多くの税金が取られることが分かると思います。

所得税は、国民全体のために使われますから、所得再分配をして所得格差の固定を是正する上では適したシステムであると言えます。

一説によると、超過累進課税制度を取り入れている国の方が、そうでない国に比べると幸福度は高いというデータがあるそうです。

 

ただちょっと待ってください…。5、10、20、ときて次23%?
なんかここに違和感を感じるんですけど…

f:id:r2209:20190914164215j:image

 23%に当たる層は収入(所得ではなく)で言うとだいたい1000万円のレンジだと言われています。

さて、これくらいの年収を稼ぎ、かつ、国の制度を作っている人って誰でしたっけ?

 

おっと。これ以上は言えない。

 

 

もう一つ、所得税があります。

先ほどの表をもう一度良く見てください。最高税率はいくらになっていますか?

 

そう。45%です。

住民税は所得に関わらず10%かかりますから、トータルすると55%です。

非常に多くの税金が取られている、ということがわかりますよね…

 

 

一方、法人税最高税率がいくらか知っていますか?

なんと、23.2%です。

 

この差が「大企業は優遇されている!」と不平を言う人たちがいる一つの根拠となっています。

 

 

最後に

仕訳の話から、最後は所得税の闇に関する話まで、非常に多岐にわたる話になりましたが、いかがだったでしょうか?

 

開業して自分で稼いだり、税金の勉強をすると、お金のことがよくわかるようになります。

お金のことを学ぶと、自身の家計をよりよく考えることができるようになるだけではなく、お金を生み出しそれを運用している国のことも自然と透けて見えてくるようになります。

 

お金の勉強をすることは、賢く生きていくためには必須の事柄ではないでしょうか。

 

 

数回にわたってお話ししてきた「開業」特別編は以上になります。

ありがとうございました!