心理職でもできる資産形成と運用

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FP×心理Thによる資産にまつわるアレコレのお話

消費税増税ってなんか疑問だらけなんですけど、大丈夫?

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リヒト(@r2209)です。
来月から消費税が10%になるね。。。

 

そうですね。

 

消費が冷え込むだろうに、よくこのタイミングで増税するよねー

 

まあでも仕方がないんじゃないですか?年金とか医療費とかで財源が圧迫してるし、そもそもたくさん借金があるみたいですし。

 

そうね。。。
ちょっと今日は消費税増税の是非について話してみようか。

 

え?是非も何も、増税は仕方がないことじゃないんですか?

 

 

消費税とは

ついに来月から消費税が8%から10%になってしまいますね。

 

ただでさえ日本は消費縮小ムードがあるので、これでますます消費停滞に拍車がかからないか心配です。

 

ところで、消費税ってなんなんでしょうか?

 

日本には直接税と間接税があります。

直接税とは、その名の通り、納税義務者と納税負担者が同一の税金のことを言います。

 

 

直接税の代表は、所得税や住民税、相続税、固定資産税のようなものです。

直接自分で国に納める税金と思っていただければ良いでしょう。

 

給与所得の場合、所得税などは給料から天引きされているから、「直接払っている」という感覚がないかも知れませんが、所得税は直接税です。

 

普通、確定申告をして自分で納税額を計算して納税するのが所得税です。

ですから、サラリーマンの給与所得の所得税計算のように、年末調整で勤め先が代わりにやってくれる方がむしろイレギュラーなのです。

 

サラリーマンの数は多いから、実際には年末調整している人の数の方が多いけどね。

 

 

一方、間接税とは、これまたその名の通り、納税義務者と納税負担者が別の税金のことを言います。

代表的なのは今日これから色々とお話する消費税です。

 

消費税こそ、買い物する時に必ず支払うので直接税なような気がしますが、僕たちがお店に払った消費税は、お店が僕たちに代わって払ってくれているので間接税なのです。

 

 

一番徴収しやすい税金が消費税

僕たちが国に納めている税金は、上記に紹介したもの以外にもたくさんの種類があります。

 

ここでは、国に納める国税に話を限定しますが(都道府県や市町村にはらう地方税もある)、その数なんと25種類です。

 

酒税やタバコ税など、比較的最近作られた税金もあるわけですから、今後この種類もきっと増えていくことでしょう。

 

げぇぇっ!

 

 

いくつかある税金の中でも、個人から徴収しやすい税金は、恐らく消費税でしょう。

 

法人税は、法人の経営者にしか関係ありません。

 

所得税は、賢い人なら合法的に経費や控除を使って節税できます(ここを皆で目指しましょう!)。収入が低い人は、そもそも払う必要がありません。

 

酒税やタバコ税は、飲んだり吸ったりしない人には無関係でしょう。

 

ところが、物を買わないで生活できる人は…

 

いないですよね。

 

そうです。

人が生きていく上では、必ず物を買うのです。

 

消費税は生きる限り、避けようがない税金なのです。

 

ここに「消費税増税の闇」があるように思われます。

 

 

本当に消費税を上げないと、日本は財政破綻するのか?

消費税を上げるための口実によく言われるのが、「日本は借金大国です。このままじゃ財政破綻します」というものです。

 

こんなことを言われたら、日本に住む住民としてはとても不安になってしまいます。

 

財政が破綻するくらいなら、自分たち皆のお金を少しずつでも出して支えたいと思うものでしょう。

 

しかし、そもそも論として、日本は本当に借金大国と言えるのでしょうか?

ここをしっかりと検証しないわけにはいきません。

 

今日は、日本という国を一つの家族に例えて「本当に借金大国なのかどうか」を考えてみたいと思います。

 

 

日本の借金って、いくら?

日本の借金の総額は1000兆円を超えています。ものすごい数字ですね!

 

もはや、想像すらできないですね…

 

国民1人上がりに計算すると、なんと900万円。

日本で生まれると、その瞬間900万円もの借金を持っていることになるのです。

 

900万円の借金がある赤ちゃん…でも、やっぱりこんなにあるんじゃ、消費税増税はやむを得ないように思います。消費税なら安定した財源になるでしょうし。

 

そう思うのは早計です。

借金を見た場合、同じように「資産がいくらあるか」を見る必要があるのです。

 

実は日本は世界一の海外純資産の保有国なのです!

その額なんと、1000兆円!

 

1000兆円?見覚えのある数字ですね。

そう。何と、日本は借金と同額の資産を持っているのです。

 

もちろん、この海外純資産をすぐに全てを現金化出来るとは限りません。

しかし、日本を一軒の家と例えた場合、仮に借金があっても、車や家、金などの資産があればすぐさま自己破産(財政破綻)するなんてことはないのです。

 

まあ、実際には家も車もリセールバリューがないとただの負債ですけど、ここでは例えとして分かりやすいので、とにかく資産として考えることにします。

 

こんな感じで、普通、借金(負債)を考える時には、同時に「資産はいくらあるのか」を見るものなのです。

以前このブログでも「バランスシート」って勉強しましたよね?

r2209.hatenablog.com

       
  貸借対照表(バランスシート)  
(借方) 資産 負債 (貸方)
   
   
   
   
   
  純資産  
   
   
   
   
   
       

 

それなのに、借金の方しか見ないのって、なんかおかしいと思いませんか?

 

 

そもそも日本の借金って誰から借りてるの?

さて、今度は「借金は誰から借りてるのか?」を考えてみましょう。

 

一般家庭で考えて場合、普通お金を借りる時には他人から借りたり、銀行から借りたり、と言ったように、外部から借りますよね。

 

だから、「国に借金がある」と聞くと、どうしても「海外から借りてるんだろうな」と思ってしまうと思います。

 

しかし、これ、違うんです。

 

日本が借りている借金の半分近くは日本銀行から借りているのです!

 

これって、一つの家族で例えると、お父さんがお母さんからお金を借りているのとほぼ同じことです。

 

では、残りの半分はどこから借りているのか。

 

これは、国内の銀行からです。

国内の銀行にお金を預けているのは国民ですから、要は僕たちから国はお金を借りているのです。

 

つまり、お父さんが子どもからお金を借りているのと同じです。

 

え?国民に900万円借金があるって言ってたけど、もともとは私たちのお金だったってことですか?

 

はい。その通りです。

 

ね?変でしょ?

なんで貸してあげている立場なのに、そのお金を僕たちが返さないといけないんでしょうか?僕たちは返してもらう側のはずなんです。

 

 

消費税増税によるデフレスパイラル

このような疑問が残る中、10月からは増税することが決定しました。

恐らくこのままだとますます景気が冷え込み、物が売れなくなるでしょう。

 

物が売れないと、企業は物の値段を下げるしかありません。これがデフレです。

物の値段が下がることは、一消費者としては嬉しいかも知れません。

 

しかし、それだと収益が減るので、そのお金を働いている人たちに還元できる分が少なくなってしまいます。要は給料がまた下がるということです。

 

そうなると、いくら物の値段が安くなっても買うことが出来ません。

すると、ますます企業の収益が下がるので、給料も下がります。

 

もちろん、子育てにもお金がかかりますので、給料が下がれば子どもを育てる余裕なんてありませんから、少子化にも拍車がかかってしまいます。

すると、ますます年金制度、特に所得代替率の低下につながります。

 

増税分は年金等の社会保障費に使うと政府は言っていますが、デフレになればただのいたちごっこです。

 

このような悪循環がデフレスパイラルです。

 

それに、ここでは詳しく述べませんが、過去に消費税を増税する時、「全額社会保障に回す」と言っていたのにも関わらず、実際には税源のたった20%しか社会保障費に回されませんでした。

 

じゃあ、いったい何に使われたのか。

それは法人税減税の穴埋めです。

 

所得税最高税率は45%もあるのに、法人税は23.2%しかありません。

 

一体どうしてなんでしょうか?闇が深そうです。

 

 

消費税増税によって僕たち心理カウンセラーへの影響は

僕たちが行っている心理カウンセリングには、基本的には、医療保険が適応されません。そのため、比較的高額な料金を設定せざるを得ません。

50分で平均して7,000円くらいでしょうか。

 

いくら軽減税率で食料品が8%に据え置かれているとはいえ、デフレスパイラルによって景気が冷え込めば、人は食料品を確保するために資金を使うでしょう。

とてもカウンセリングに使うことにお金を回す余裕はなくなってしまいます。

 

このように考えると、僕たち心理カウンセラーにも消費税増税は無関係の出来事ではないのです。

 

10月以降、日本がどうなっていくのか、見守っていきたいと思います。

 

参考にしたのはこちらの書籍です。