心理職でもできる資産形成と運用

心理職でもできる資産形成と運用

FP×心理Thによる資産にまつわるアレコレのお話

青色申告に必要な補助簿について学ぼう

「ノートと電卓(経理)」の写真 

リヒト(@r2209)です。
前回の記事では簿記の第一歩である仕訳についておさえました。今日からは、青色申告に関係する補助簿について勉強していきたいと思います。

 

 

 

 

補助簿

今までは、主要簿について見てきました。今度からは補助簿について見ていきましょう。

補助簿とは、主要簿を補助するもののことでしたね。

たくさんの種類があります。一気に全てを覚えるのは大変だと思いますので、1つ1つゆっくりと見ていきましょう!

 

 

現金出納帳

青色申告で65万円の控除を受けるためには幾つかの補助簿を作成することが必要です。そのうちの一つである現金出納帳について見ていきましょう。

 

現金出納帳とは、現金の動きを日付ごとに記録する帳簿です。

開業している心理カウンセラーの方はクライエントから直接現金で面接料を受け取ることが多いしょうが、そういったやり取りを記録するものです。

 

現金出納帳には、いつ何の目的で現金が動いたのかを漏れなく記帳することが求められます。正しく記帳されていれば、手元にある現金と数字が一致するはずです。

 

    現金出納帳    
鑑定科目 摘要 入金 出金 残高
X Y 前月から繰越       100,000
  Y 売上 カウンセリング料 21,000   121,000
  Z 消耗品費 ボールペン   100 120,900
             

 

万が一手元のお金と数字がどうしても一致しない場合は、「現金有高超過」「現金過不足」という勘定科目を使って実際手元にある現金の数に一致するように一時的に対応します。

 

帳簿に付けた数字よりも実際に手元にある現金が多かった場合

    現金出納帳  
鑑定科目 摘要 入金 出金 残高
X Y 前月から繰越       100,000
  Y 売上 カウンセリング料 21,000   121,000
  Z 消耗品費 ボールペン   100 120,900
  Z 現金過不足 現金有高超過 500   121,400
             

 

少なかった場合

    現金出納帳  
鑑定科目 摘要 入金 出金 残高
X Y 前月から繰越       100,000
  Y 売上 カウンセリング料 21,000   121,000
  Z 消耗品費 ボールペン   100 120,900
  Z 現金過不足 現金有高不足 500   120,400
             

 

 

預金出納帳

これから見ていく預金出納帳も青色申告で65万円の控除を受けるために必要となる帳簿です。

 

預金出納帳とは、日々の各銀行口座にある預金の出し入れを記録する帳簿のことです。

同じ銀行であっても口座が違うならその口座毎に預金出納帳を作成します。

 

先述の現金出納帳との違いは、現金が手元にあるかないかの違いです。手元にある分は現金出納帳で、銀行に預けるなどしている分は預金出納帳で記録します。

 

 

買掛帳

こちらも65万円の控除を受けるために必要です。

買掛帳とは、商品や材料を仕入れた際、その支払いをツケ(買掛金)にしたときに、そのツケを記録するものです。

 

こちらも表を見た方が早いかも知れません。

A社からツケで80,000円のパソコンを購入し、それに送料がかかったという想定です。

後日、現金で支払いました。

    買掛帳ーA社  
鑑定科目 摘要 仕入金額 支払金額 残高
X Y 仕入 パソコン 80,000   80,000
  Y 仕入 送料 1,000   81,000
  Z 現金 現金払い   81,000 0
             

 

ただ、買掛帳は販売商品を仕入れた時に使うものですので、心理カウンセラーの方にはあまり関係のない帳簿かもしれません。

新しく心理検査を購入する時とかくらいでしょうか?

  

 

売掛帳

同じく65万円の控除を受ける時に必要となる帳簿です。

売掛帳とは、まだ支払われていない代金を記録するものです。

 

表で確認しましょう。

A社にパソコンを納品し、後日振込で支払われたという想定です。

 

    売掛帳ーA社  
鑑定科目 摘要 売上金額 受入金額 残高
X Y 売上 パソコン納品 80,000   80,000
  Z 普通預金 A社振込入金   80,000 0
             

買掛帳よりも一層心理カウンセラーの方には関係のないものかも知れませんね。

 

何か特殊な物をクライエントに売りつけているのなら話は別ですが…

 

 

 

経費帳

こちらもやはり65万円の控除を受けるのに必要なものです。

経費帳とは、所得を得るために使った費用について記録するものだと考えてください。

これをきちんと申告することで、節税効果が狙えますから、しっかりと記録していきましょう!

 

例によって、こちらも表でまず確認しましょう。

現金で払った場合。

消耗品費
摘要 金額
現金 その他
X Y テーブル 30,000  
  Z 文房具 500  
         

 現金以外(銀行振込)で支払った場合。

水道光熱費
摘要 金額
現金 その他
X Y 電気代(〇月分)   3,000
         

 

このように、経費帳は勘定科目ごとに作成します。

ですので、ある程度どんな勘定科目があるかを把握しておきましょう!

 

心理カウンセラーに関係しそうなものを中心に挙げておきましたので、確認してみて下さいね。

   
勘定科目 内容
旅費交通費 事業に関係する移動に伴う交通費
広告宣伝費 広告、宣伝に使った費用
租税公課 固定資産税など
地代家賃 借りている建物の使用料など
給料賃金 従業員への給料
福利厚生費 従業員への保健衛生のための費用など
接待交際費 関係先に対する接待費
消耗品費 事業で使用する文房具など消耗品にかかる費用など
水道光熱費 水道代、電気代、ガス代
通信費 電話等にかかる費用
損害保険料 火災保険の保険料など
修繕費 機械装置の維持管理にかかる費用など
減価償却 パソコンなどの固定資産を定められた期間に分けて経費に計上するとき
雑費 事業に関係ある支出であるが、上記に分類できないとき
   

 

 

固定資産台帳

最後の補助簿は固定資産台帳です。これも65万円の控除を受けようと思うと必要になります。

固定資産台帳は、事業に関わる10万円以上の固定資産を購入したときに、それの名称や購入金額、購入日などを記録するものです。

 

固定資産台帳は、減価償却費の根拠となります。

 

パソコンを例にとって見てみましょう。

   
資産名称 ノートパソコン 〇〇製 管理番号〇〇〇 ブラック
資産区分 器具・備品
取得年月日 20〇〇.X月.Y日
取得価格 200,000
耐用年数 4年
減価償却 50,000
償却率 0.25
償却方法 定額法
帳簿価格 150,000
   

 

上記表の中で注目したいのは、耐用年数償却方法帳簿価格です。

 

固定資産はそれぞれ耐用年数が決まっており、パソコンの場合は4年と定められています。ですので、上記の表には4年と記載されています。

 

固定資産は定額法と定率法という償却方法があるのですが、個人事業の場合は定額法を選択します。定額法とは、その名の通り、毎年同じ額ずつ減価償却する方法です。

 

20万円のパソコンの場合、4年で償却するので、20万÷4年で年5万円ずつ償却する事になります。

 

帳簿価格は取得価格から減価償却額を引くので20万円−5万円で15万円となっています。

 

 

ご苦労様でした 

さて、青色申告をして65万円の控除を受けるのに必要な帳簿について見てきたけど、どうだったかな?

 

たくさんの帳簿をつけなきゃいけないって、ホント大変だなって思いました。

 

そうだね。でも一番最初に説明した仕訳さえなんとかやれば、後は会計ソフトが自動で何とかしてくれるから実務的にはそんなに大変じゃないと思うよ!

 

よかった!

 

青色申告で申告する際、こういった帳簿をつけておく必要があります。

とはいえ、確定申告時に提出しなければならないか、というとそうではありません。必要があるのは、次から説明する(青色申告)決算書と確定申告書(B)です。

 

ただし、帳簿は提出はしませんが、7年間の保存義務がありますので、きちんと管理しておきましょう(帳簿をつける際に使用した領収書等も)。

 

会計ソフトを使って作成した場合は、プリントアウトをして税務調査が来た時に開示出来る様にしておきましょう。

 

やよいの青色申告なら、ナビゲーション機能がついているので初心者でも安心して作成できます。

無料で使える「やよいの青色申告 オンライン」

 

 

決算書や確定申告書についてはまた今度!