お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方
お金持ちになる方程式を簡潔な数式で要約しています。
その方程式とは 資産形成=(収入−支出)+(資産×運用利回り) です。
当たり前と言えば当たり前ですね。
出て行くお金よりも入るお金を増やし、増えたお金をプラスになるように運用するしかお金が時間単価以上に増えることはあり得ない訳です。
ここから、お金持ちになりたいならやらなきゃいけないことがみえてきます。それは
①収入を増やす
②支出を減らす
③運用利回りを上げる
です。①は本ブログでいう「資産を稼ぐ」、②は「資産を守る」、③は「資産を育てる」に相当します。
これらをバランスよくこなすには、「財産三分法」をする必要があります。
これは資産を預貯金・株式・不動産に三等分して運用するというものです。
しかし、典型的な日本人はこのバランスが著しく偏っているといいます。それを指摘しているところを引用してみます。
資産の大半が不動産で運用されており、リスクが大きく偏っています。これに死亡保険金5000万円程度の生命保険に加入し、毎月せっせと高い保険料を払っているというのが、いまだに一般的な日本人の資産ポートフォリオだといえます。
P88
ここでいう、「資産の大半が不動産で運用」とは、マイホームの住宅ローンのことでだと思っていただければよいでしょう。マイホームを買うことを投資だと思っている人は少ないようですが、これも立派な投資なのです。
どうして「財産三分法」が望ましいかというと、一つの資産に何かあっても残りの二つでなんとかやっていけるからです。
しかし、住宅ローンで大きな負債を抱え、家の価値がどんどん下がっていくと、残りわずかな預貯金や株式では立ち行くことはできません。こうなると、先述の①から③全てできないのでお金持ちにはなれません。
③について、具体的な指摘がありとても参考になります。該当箇所を引用します。
「もっとも効果的なポートフォリオとは市場全体に投資することである」ということを発見したのです。(中略)要するに、TOPIXやS&P500のような市場全体の動きに連動するインデックスファンドに投資しなさい、ということです。
P96
iDeCoなどで資産運用する人も多いかと思いますが、この指摘にあるようにインデックスファンドに投資することを僕もお勧めします。
また、本書は年金についても鋭い角度からの指摘があります。この方の年金の知識はとても参考になりますので、本書を読むか、あるいはTwitterをフォローするととても勉強になりますよ。
参考までに、年金に関する興味深いツイートを添付しておきます。
国民年金に平均受給額が5万5000円に対し、厚生年金が15万円なのは有利だからではなく、支払っている保険料が多いからです。国民年金の掛け金が1万6410円で、厚生年金はボーナスを含めこの6倍払って(会社負担込み)、3倍戻ってくるという計算になります。
— 橘 玲 (@ak_tch) June 14, 2019
②については、「マイクロ法人」を設立することで、法人独特の徴税システムを使ってうまく節税する方法についても書かれています。
事業主が法人格を取得することを「法人成り」といいますが、開業が軌道に乗り法人成りすることを考えている人には大変参考になるでしょう。法人成りをする際の融資の受け方も記載があります。
ただ、そのためには登記や納税の基本知識は必須なので、ややハードルが高いようにも思います。しっかり勉強したいところです。
この方程式になんの難しい点はありません。
しかし、この方程式を稼働させることができるのは、ちゃんと勉強して知ることを諦めなかった人だけだということを本書を読むと痛烈に思い知らされます。
「黄金の羽根」を拾うことができるのは、そういう人だけなのです。