【心理カウンセラー必見】日本一くわしい年金の基礎知識まとめ
リヒト(@r2209)です。
資産を「守る」「稼ぐ」「育てる」とは直接関係がなかったものの、数回にわたって年金についてお話ししてきました。今回はその話をまとめていきたいと思います。
年金は崩壊しない
まず検討したのは年金が崩壊しない根拠でした。現役世代がいる限り、崩壊はしません。社会保険料以外にも年金の財源に充てているお金があるし、積立金もあります。
ただ、景気の変動や少子高齢化などの影響によってどうしても所得代替率が変わるので、受け取る額は少なくなる可能性が大です。
自分が何号の被保険者かを知る
年金加入者のうち分けは、第1号被保険者から第3号被保険者まであります。
何号の被保険者かによって受給できる年金が変わるので、きちんと把握しておくことが大切です。
「130万の壁」もそこに関わる話でしたので、触れておきました。
自分がどの年金保険に入っているかを知る
自分が何号の被保険者なのかを知ったら、今度はそれに伴って、自分がどの年金保険に加入しているかを知ることも大切です。
年金には大きく二種類があります。基礎年金と厚生年金です。
基礎年金を未納する方が3割近くもいるのですが、未納するとどうなるかもお話ししました。絶対に未納はしないでくださいね!
種別変更があった場合はどうするか
ライフスタイルの変化などにともって、1号から2号へ、2号から3号へ、と保険者の種類が変わることはよくあります。
その時どういう手続きが必要かをお話ししました。1号へ変化する時には特に注意が必要です。
基礎年金の基礎
基礎年金について最低限知っておきたい事柄についてもお話ししました。
更に、第1号被保険者のみが給付を受けられる基礎年金の独自給付についてもお話ししました。
第1号被保険者の方は必見です!
厚生年金の基礎
厚生年金についても最低限の知識についてお話ししました。
厚生年金も独自給付があります。この給付は(他もそうですが)ただ待っているだけでは給付されません!申請主義なので自分で申し込まないといけないのです。
知っているか知らないかが、運命の分かれ道になることはしばしばですが、年金でもそうなのです(悲しいですが…)。
ざっとまとめたけど、思い出せたかな?
はい!
さて、今までは年金の2階部分までだったけど、これでようやく3階部分について話せるね。その代表がiDeCo(イデコ)と呼ばれる個人型確定拠出年金だ。
イデコって聞いたことはあります。
最近よく聞くよね。この3階部分は、資産を「育てる」にも関わってくるところなんだ。
ながらく年金の話にお付き合いいただき、ありがとうございました!
次回からは、資産を「育てる」について考えて行きたいと思います!
対人関係療法で改善する夫婦・パートナー関係
夫婦・パートナー関係は、ストレスの元となると同時に、ストレスを解消してくれる力にもなります。
このどちらになるかはかなり流動的なものではありますが、後者の「力」へ変えていくことは可能です。その方法について、具体的な事例を元に知ることができるのが本書です。
タイトルの通り、本書は対人関係療法の考え方がベースとなっています。
対人関係療法は病気の治療法であり、本書もうつ病を抱える夫婦の事例などが登場します。
しかし、そのエッセンスは病気を持っていない夫婦・パートナー関係でも応用することは十分可能です。本書タイトルが「〜で改善する」となっているのはそのためです。
対人関係療法では、以下のように前提することで、夫婦・パートナー関係のひずみを改善可能なものであると捉えます。
対人関係療法では、相手への不満を、「期待していることが満たされていない」と見ますので、何を期待していて、それがどういうふうに満たされていないのか、そもそも期待していることは相手の現実に合った妥当なものなのか、その期待は相手にきちんと伝わっているのか、といったところを見ていきます。
P012
ただ「こうするべき」と相手に期待していても、それが相手に伝わっていなければ一生実現しないかも知れません。仮に伝わっていたとしても、相手にはできないことであるのかもしれません。
いずれの場合も、「なんでやってくれないの?」と不満を抱えることとなり、この不満が蓄積すると、関係性に亀裂がはいります。ことによると、それが病気にまで発展する怖れまであるのです。
ですから、期待を整理し、それを言葉にして伝えていくことがとても大切になるのです。
パートナーとの関係が良好になると症状が改善し、パートナーとの関係が険悪になると症状も悪化する、というような傾向はよく見られるものです。
P022
とはいえ、夫婦・パートナー関係は重要である一方で、その分扱いが難しい関係ではあります。
それは、同じものを共有する関係でありながら、依然として違いが多くある存在だからです。育った環境も違うし、(異性愛なら)身体的特徴も違うし、好きな物も違うでしょう。
共有する時間は以外と少なかったりします(日中はお互い別のところで仕事をしていたり)。
こういう差異が多くあるにも関わらず、恋愛期間中はお互いに「合わせよう」とするので、この差異に気づきにくくなってしまいます。次第にお互いの境界線も見えにくくなってきます。
差異があるのに差異がないように勘違いし、それと平行して夫婦という「運命共同体」になっていくのです。
しかし、時間の経過と共にこの差異が明らかとなると(というか、もともとあった差異にようやく目が向けられるようになると、と表現する方が正確かもしれません)、「境界線が見えにくくなっている」ことが関係に大きな影を落とす危険性に繋がります。
この危険性をよく言い表しているところを引用します。
通常の人間関係では「失礼なこと」として位置づけられる「責める」という行為が、どうしてパートナーとの間では日常化してしまうのか、ということを考えてみると、(中略)運命共同体意識と言えるものですが、「人格を持つ一人の他人を責めている」という意識があまり持てず、自分の一部を叱咤激励しているような気持ちになってしまう
P037
これこそ、自分と相手との間に境界線が上手く引けなくなったことの現れです。本当は他人なのに、あたかも自分自身かのように錯覚するのです。
パートナーというのは、元々違う二人なのにも関わらず運命共同体とならねばならない。
相当難易度の高い営みであることが分かりますね。意識してズレを埋めていく努力が求められます。
パートナーという距離の近さのために、ついつい相手のことを知っているような気になってしまうところからさまざまな決めつけや行き詰まりが始まってしまいます。
相手のことを自分は本当に知っているわけではない、ということを常に意識し、「なぜ相手はこういうことをする(言う)のだろうか」ということを、決めつけずに相手に聞いてみるとう姿勢が案外重要なのです。P053
パートナーだからこそ、「相手のことを自分は本当には知っているわけではない」と意識することが重要です。相手をこうだと決めつけず、相手を尊重することが却って自らの精神衛生に寄与するのです。
対人関係、特に夫婦・パートナー関係は難易度の高い関係です。それだけに、「その関係を通して、どうなりたいのか」という目的をしっかり持つことが大切です。
関係を改善するのには努力を要します。
しかし、それに充分見合うだけの力をくれるのも夫婦・パートナー関係です。
ストレスの元凶にするか、それとも力にするか。それはあなたの選択次第です。どちらを選ぶための努力をしますか?
身内研究会 本のシェア
リヒト(@r2209)です。
今日は月に一回ペースで実施している研究会でした。
僕は前回に引き続き、動機づけ面接の話をしました。
他の発表者は抗うつ薬やサリヴァンについて話してくれ、とても参考になりました。
こうやって普段触れないアプローチに間接的に触れる機会があるというのは、とても恵まれているなと感じますね。
この研究会のよいところは、参加メンバーが皆勉強熱心で読書家なところです。
専門家にとって読書による学習は不可欠だと思いますが、だからといってあらゆるジャンルの専門書を読もうとすると書籍代だけで家計を圧迫しかねません。
特に心理学は本当に領域が広いですから、一人だけで全てを補うのはほぼ不可能でしょう。
その点、この研究会では皆がそれぞれ自分の持っている本を数冊持ち寄り、それを交換してシェアすることができます。これは、皆が同じくらい読書家だからこそ出来ることですよね。
毎回毎回貸す人と借りる人が固定されたら不平等感が出てしまいますが、この研究会であればその心配は全くありません。
今回、僕が貸した本は
の3冊です。どれもオススメのものばかりです。
よくわかるコミュニティ心理学 [第3版] (やわらかアカデミズム・〈わかる〉シリーズ)はベーシックなコミュニティ心理学の理論を本当によくわかるように書いてくれています。公認心理師にとってコミュニティ・アプローチは必須でしょう。
心理職はなかなか身体の疾患については疎いところがありますが、多職種連携をするためには最低限のことは知っておきたいところです。そのため、
心理臨床と身体の病 (放送大学教材)は非常にオススメですし、そもそも「連携ってどうしたらいいの?」という所に関して知る上ではシナリオで学ぶ心理専門職の連携・協働: 領域別にみる多職種との業務の実際が最適かと思います。
一方、借りたのはこちらです。
臨床心理士の集まりなのに、今回は心理学以外の本を借りました。笑
今回借りた本も、いずれこのブログで紹介していけたらと思っています。
楽しみにしていてくれると嬉しいです!
今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました!!
【心理カウンセラー必見】厚生年金は女性蔑視? 繰り下げ受給は本当にお得?
リヒト(@r2209)です。今日は、第2号被保険者が加入する厚生年金について見ていこう。第2号被保険者は厚生年金と同時に基礎年金にも必ず加入することになるから前回の記事も参照してください。
厚生年金は「わざと難しくしてるでしょ?」と思えるくらい、非常にわかりにくいです。
ですから、ここでは重要性の高いもの、ごくごく簡単な部分だけをおさえたいと思います。
保険料と給付の総額
基礎年金は固定額でしたが、厚生年金は違います。
厚生年金は標準報酬月額と標準賞与額によって決まります。この標準報酬月額と標準賞与額とはそれぞれ、収入とボーナスだと思ってもらえれば大丈夫です。
保険料率は収入とボーナスの額にそれぞれ18.3%が課せられます。
例えば、月収20万円を得ている方は、36,600円の保険料です。
ただし、労使折半される(半分は勤め先が払ってくれる)ので、実際の保険料は18,300円です。
このように、報酬によって払う保険料が異なるのです。
将来受け取れる老齢厚生年金の額も、現役世代に支払った保険料額によって増減します。これを報酬比例といいます。
加給年金
20年以上厚生年金に加入している第2号被保険者が65歳となって老齢厚生年金を受け取れるようになったときに
①65歳未満の配偶者がいる場合、
あるいは、
②18歳になって最初の3月31日までの子ども(その子が障害等級1、2級の場合は20未満の子ども)がいる場合、
家族手当的なものとして追加の年金を受け取れます。これを加給年金といいます。
受給額は配偶者がいる時は基本224,500円(別途第2号被保険者の生年月日に応じた特別加算があります)、子どもの場合2人までは各224,500円、3人目以降は各74,800円です。
配偶者が65歳になったら加給年金は停止されます。
しかし、その停止された分は配偶者に「振替加算」というかたちで給付されます。
年の差夫婦は少し得をするということですね。
保険マンモスのサイトがわかりやすいので図を引用します。
振替加算とは、「だれが」「いくら」受け取れる? − 年金Q&A|家計&保険相談(無料)【保険マンモス】
繰り上げ受給・繰り下げ受給
基礎年金は繰り上げ受給・繰り下げ受給ができました。厚生年金も同様です。
繰り上げた月数×0.5%が年金額から減額され、繰り下げた月額×0.7%が年金額に増額されます。
ただ、老齢厚生年金を繰り上げ受給しようと思ったら、老齢基礎年金も同時に繰り上げ受給しなければなりません。
一方、繰り下げ受給の場合は、老齢基礎年金と別々に行うことができます。
繰り下げ受給がお得?
繰り下げ受給は繰り下げた月額×0.7%が年金額に増額されるわけですから、最大42%増となります。
これだけを聞くと、繰り下げした方が圧倒的にお得感があるように思うかと思います。
しかし、以下の話を知ってから実際にどうするかを決めても遅くはないでしょう。
加給年金は貰えない
年下の65歳未満の配偶者(ここでは「妻」とします)がいる場合、224,500円が加給年金として支給されます。
さらに夫が昭和18年4月2日以降に生年月日がある場合、165,800円が加算されます。
224,500円+165,800円ですから、390,300円、約39万円です。
仮に夫が65歳、妻が60歳のだとしたら、妻が65歳になるまでの5年間39万円×5年の約200万円が受給できる訳です。当然、それ以降は妻が振替加算を受給できます。
しかし、夫が繰り下げ受給を希望し、70歳から老齢厚生年金を受け取ることを希望したとしたら、どうなるのでしょう。
この場合、当然妻は65歳になっている訳です。加給年金は妻が65歳になると停止されるのですから、加給年金は貰えず、振替加算もされなくなるということを意味します!
遺族厚生年金は増えない
遺族厚生年金については後述しますが、ここでは繰り下げ受給に関する部分についてお話します。
厚生遺族年金は、厚生年金の加入者(ここでは「夫」とします)が亡くなるとその遺族に遺族年金が給付されるものです。
この厚生遺族年金は夫が65歳時の年金額で計算されます。従って、夫が繰り下げて年金を増額したとしても、遺族厚生年金自体は増額されません。
税金が増える
これは基礎年金にも同じことが言えます。
確かに70歳まで繰り下げて受給する場合、42%年金額が増えます。
しかし、年金もれっきとした所得(雑所得)ですので、受け取るときに税金や社会保険料がかかります。
税金は所得が多ければ多いほどたくさんとられるものです。
試算によれば、年200万の年金があるとすると、それを繰り下げ受給すれば284万円になるはずですが、そこから税金や社会保険料を引くと241万円になります。実質33%しか増とならない、ということです。
以上のことから、単純に繰り下げをした方がいいという話ではなく、計画的にいつから受給するのがよいか考えた方が良いことが分かります。
障害厚生年金
障害基礎年金は1級と2級しかありませんでしたが、障害厚生年金はそれに加えて3級と障害手当金があります。
受給要件は初診日に厚生年金保険の被保険者で、障害認定日に障害等級1〜3級に該当することです。
年金額は1級の場合、老齢厚生年金の報酬比例の部分×1.25倍、2級の場合は老齢厚生年金の報酬比例の部分となります。さらに65歳未満の配偶者がいる場合には、これに加給年金額が加算されます。
3級は65歳未満の配偶者がいる場合でも報酬比例の部分のみとなります。
障害手当金は、障害厚生年金3級に達しない、いわば「4級」と言える障害の場合に、年金ではなく一時金として支給されるものだと思ってください。
障害手当金の給付額は、報酬比例の部分×2となります。
遺族厚生年金
25年間第2号被保険者であった方が死亡した場合、その遺族に給付されるものが遺族厚生年金です。
受給できるのは、死亡の当時生計を維持していた妻、夫、子ども、父母、孫、祖父母です。
今列記した順番がそのまま受給順位となります。つまり、基本的には配偶者に給付されますが、配偶者がいなければ子に、子もいなければ親が受給します。
ただややこしいのが、妻は無条件ですが、夫、父母、祖父母が受給権者となる場合55歳以上でなければならず、かつ、受け取れるのは60歳からです。
また、子や孫は18歳到達年度末、あるいは、障害等級1級2級の場合20歳までが受給できます。
ややこしい…
まあ、話しはしたけど覚える必要は無いよ(笑)
受給額は報酬比例部分の4分の3です。
若年の妻の失権
注意したいのが、遺族厚生年金を受け取ることになった妻が当時30歳未満で子どもがいなかった場合、受給できる期間は5年間となる点です。
え?なんでですか?
うーん、わからないけど、多分子どももいない若い女性はすぐに再婚できるだろうという考え方があるんじゃないかな…
それって、結構差別的な考え方ですよね…
中高齢寡婦加算
遺族厚生年金に585,100円が一定の遺族には加算されます。それが中高齢寡婦加算です。
「寡婦」加算なので、妻が受け取れる加算です。
受給権者は夫の死亡当時、40歳以上65歳未満の子のない妻、または、子どもがいても40歳以上65歳未満で遺族基礎年金を失権している妻です。
子どもがいても40歳以上65歳未満で遺族基礎年金を失権している妻ってどういうことですか?
要は、40歳の時は18歳未満の子どもがいたけど、65歳になる前に子どもが18歳以上になった場合ということだよ。
なるほど。しかし、年金の話って言い方がややこしいですね。。。
今回、厚生年金についてお話しましたが、いかがだったでしょうか?「制度がややこしい。難しいな」と思われたと思いますがどうでしょうか?多分、わざとわかりにくい制度にしているのだと思います。
そうやって、誰かが何かを隠しているのかも。そう考えたら、怖いですね。
【心理カウンセラー必見】多職種連携のための基礎年金入門 これだけ知ってれば問題なし!
リヒト(@r2209)です。今日は、基礎年金に話を絞ってお話していきます。
基礎年金は、年金の一階部分ですよね
そうだね。基本的に20歳以上になれば誰でも加入することになるから、しっかりと勉強していこう!
保険料と給付の総額
基礎年金の保険料は月額16,410円で固定です(2019年度)。
従って、16,410円×12ヵ月で、年間の保険料は196,920円で約20万円です。
これを20歳から60歳までの40年間払い続けたとすると、総支払額は約800万円となります。
「どうせもらえないのに、こんなに払わないといけないのか!?」
と思われました?でも、ちょっと待って下さい。この800万円という数字が本当に高いのかどうかは、以下のデータを見てから判断しても遅くはないですよ。
まずは、年間で給付される年金額について見てみましょう。
65歳から給付される老齢基礎年金は、未納がない場合満額で780,100円(2019年度)となります。従って、月額は約65,000円です(ちなみに、国民年金の実際の平均支給額は月額5.5万円(年額66万円)とのことです)。
さて、今度は平均寿命を考えましょう。老齢基礎年金は一生涯支給されますから、平均年齢を参考にすると、大体どれくらい年金がもらえるのかのイメージを持つことができます。
日本人の平均寿命は、男性が約81歳、女性が約87歳となっています。
こちらの記事を参照しました。
平均寿命、男女とも最高更新 世界で女性2位、男性3位:朝日新聞デジタル
ということは、大体どれくらい将来基礎年金を受け取れるのでしょうか?
男性は780,100円×16(81歳−65歳)で12,481,600円。約1,250万円です。
女性は780,100円×22(87歳−65歳)で17,162,200円。約1,720万円です。
どうでしょうか?最初の印象と少し変わりましたか?
支払額は総額で約800万円と高額ですが、基礎年金はきちんと未納無く支払えば、得を取れる年金であることがわかります。
付加年金
続いては、基礎年金独自の制度にお話しします。まずは付加年金についてです。
付加年金とは、第1号被保険者のみの制度です。
任意で月額400円を基礎年金保険料に上乗せして納付することで、老齢年金に「200円×付加年金保険料の納付期間」が加算されるものです。
日本年金機構のサイトにさえ「付加保険料を納めた分は、2年間でモトが取れます!」とあるほどですから、知っている方は得をする制度だと言えます。
ただ、後述する国民年金基金との併用はできません。
国民年金基金
国民年金基金とは、第1号被保険者が国民年金に上乗せして受給するための年金制度です。
掛金の拠出限度額は、確定拠出年金(分からない方は「iDeCoのことだ」と思ってくだされば結構です)と合算して月額68,000円です。
掛金は全額が社会保険料控除の対象となります。ただし、基金から任意に脱退できませんので、その点は注意です。
繰り上げ受給・繰り下げ受給
老齢基礎年金は基本的に65歳からの受給です。しかし、それ以前から受給することにしたり、逆にそれ以降から受給することにすることができます。
65歳以前から受給することを繰り上げ受給といいます。
将来どうなるかわからないので、早めに受け取れるのはメリットですが、繰り上げた月数×0.5%が年金額から減額される点はデメリットと言えるでしょう。
仮に60歳から支給を受けるとすると、5年(65歳−60歳)×12ヵ月×0.5なので、30%引きです。
計算上、75歳までに死亡した場合は、60歳から受給するのが一番得を取れるようです。
一方、65歳以降から受給することを繰り下げ受給といいます。
受け取れる時期が遅くなるのはデメリットになり得ますが、繰り下げた月額×0.7%が年金額に増額されるのはメリットと言えなくもないでしょう。
仮に70歳から支給を受けるとすると、5年×12ヵ月×0.7なので、42%増です。
81歳以上長生きしたら、70歳から受給するのが一番得を取れるようです。
81歳というと、男性の平均寿命ですから、判断が難しいですね。
ところで、年金は知らない間に振り込まれている、という類いなものではないからホントやっかいです。自分で請求しないと年金は受給できません。これを申請主義といいます。
障害基礎年金
年金というと「老後に貰える」というイメージが強いですが、老後に給付される老齢年金だけではなく、障害年金や遺族年金もあります。
障害基礎年金には1級と2級があります。
ともに受給要件は、①初診日(病院に行った日)に基礎年金の被保険者であること(保険料を払っていること)、②障害認定日に障害等級の1級か2級に該当することです。
障害認定日とは、初診日から1年6ヵ月たった日か、障害が固定されてそれ以上治療の効果が期待できないと医師により判定された日のことです。
1級は780,100円×1.25が給付されます。もし子どもがいる場合は子どもの数によって加算があります。
2級は780,100円です。2級の場合も、子どもがいる場合その数によって加算があります。
※子どもが2人以内なら各224,500円。3人目以降は各74,800円の加算です。
20歳前傷病による障害基礎年金
初診日に基礎年金の被保険者ということは、20歳以前に障害を抱えた人は年金保険料を払っていないわけですから、障害年金はもらえないってことですね。20歳になる前に障害を抱えちゃった人はどうしたら…
そう思うよね。けど、そういう場合は福祉的な措置として障害年金はきちんと給付されるよ。
それが20歳前傷病による障害基礎年金です。
①初診日から1年6ヵ月以前に20歳になった場合は障害認定日において、②初診日から1年6ヵ月以後に20歳になった場合は20歳になった日において障害基礎年金が支給されます。
よかった!
ここら辺の詳しいことはきっと精神保健福祉士の方々が詳しいだろうから教えてもらうといいよ。そういう情報交換も心理カウンセラーに求められる一つの「連携」だよ。
遺族基礎年金
基礎年金に25年以上加入している人が死亡してしまった場合、その遺族に年金が支給されるものが遺族基礎年金です。
ここで言う「遺族」とは、死亡した者によって生計を維持されていた、①子のある配偶者と②子となります。
ここでいう「子」とは、基本的に「18歳になって最初の3月31日までの子」のことと思ってくだされば分かりやすいかなと思います。
この条件を満たす子どもがいる場合、その親(配偶者)・子に支給されます。
支給額は780,100円に子どもの数に応じて加算があります。加算額は障害基礎年金の時と同じです。
※子どもが2人以内なら各224,500円。3人目以降は各74,800円の加算。
寡婦年金
基礎年金には、独自の遺族年金給付もあります。その一つが寡婦年金です。寡婦とは俗にいう未亡人のことです。
条件は、
①、第1号被保険者である夫の保険料を納めた期間と免除期間をあわせた期間が10年以上あること。
②、その夫が65歳前に老齢基礎年金や障害基礎年金を受けずに亡くなったこと。
③、①の条件を満たす夫との婚姻期間が10年以上ある妻であること。
です。
この場合、その妻が60歳から65歳になるまでの間、寡婦年金が支給されます。
支給額は老齢基礎年金のおおよそ4分の3です。
死亡一時金
その他の基礎年金独自の遺族年金給付には、死亡一時金があります。
こちらの条件は、第1号被保険者として、3年以上保険料を納めている方が年金を受けないで亡くなったとき、その一定の遺族に支給される一時金です。
一定の遺族とは、死亡した人と生計を同じくしていた配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹で遺族基礎年金を受給できない人です。
そうか。遺族基礎年金基本的に18歳までの子どもへの年金だから、この条件を満たす子どもがいない遺族は受け取れない。だからそういう人たちのために寡婦年金や死亡一時金があるんですね。
そう理解していいと思うよ!
なお、一時金の額は保険料納付済み期間に応じて12万円から32万円の間で変わります。付加保険料を3年以上納めていた場合には、その額に8,500円が加算されます
寡婦年金と死亡一時金はいずれか一方しか受給できません。注意してください。